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【飛鳥 銘の鑑定日記】今あらためて考える「東電OL事件」

こんにちは。占い鑑定士の飛鳥 銘です。

先日、相談者の方から東電OL殺人事件の余韻をいまだに引きずっているというお話を聞きました。
今では歴史となったこの事件は、現在ではただの殺人事件としてしか記憶されておらず、若い世代の女性たちは知らない人も多いようです。そして、もちろん男性にはこの事件の意味するところは理解できません。

今回はなぜこの事件は男性には理解されずに、女性には限りない影響を与えたかについて、最近の婚活活況ともからめながら考えてみたいと思うのです。

この事件に関する書籍はいくつかありますが、最も深奥に達しているのは、作家の中村うさぎさんであると思います。「業(ごう)」という言葉で表現されていますが、もう少し単純化して考えれば、「女性の自立と女性の幸せは別の話である」ということです。

女性が男性の経済的な庇護なしで自立し、社会で自己実現し、男女が対等な関係で結婚し、あるいは事実婚やシングルマザーの道を選べるようになれば、女性が歴史的に受けてきた不当な抑圧から解放されて、幸福が手に入るという指標は、幻想だったらしいのです。
結局、「女性にとっての幸せとは何なのか」ということを十分考えないまま、女性の自立だけが賞賛されていった歪みの中で、東電OLは犠牲になったと考えることができるでしょう。

今でも仕事を持つ女性が抱えているジレンマ、つまり仕事人として自立していることと、女性にとっての絶対的な価値観である「愛されること」を両方完璧に手に入れることの困難さを解決することは大変な事業です。

現在、独身女性たちが婚活ブームということで、必死で伴侶さがし(というか、扶養者さがしですが)しているのは、東電OLがかかえていた心の闇からの逃走であるという解釈もできます。

私は、女性の相談者には「好きに生きて良いんですよ。」とアドバイスすることにしています。女性の生き方の多様性をすべて「是」として社会が認めていくことが必要であると思われます。

どうぞ皆様、ステキな週末をお過ごしください。
(TechinsightJapan編集部 占い鑑定士 飛鳥 銘)