writer : techinsight

『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リーのような大原麗子さんの生涯。

6日に自宅寝室で亡くなっていた女優の大原麗子さん(享年62歳)。大女優の「孤独死」に日本中に衝撃が走った。現在40代の以下の人は彼女の活躍がリアルタイムで鑑賞できる作品が少なく、過去の名作をDVDなどで知るのみであるが、燃えるような瞳、魅力的な声、華奢な体から発せられる女性美など現代の若い女優には決してない凄さがある。2度の離婚、病気による闘病生活、孤独な死。大原さんの生涯は、有名な米映画に主演したあるハリウッド女優の生涯にも似ている。

1967年夏、持病の結核が悪化し、ロンドンの自宅アパートで死亡していた女優のヴィヴィアン・リー。ロンドン出身ではあったが、誰もが知るハリウッド映画の代表作『風と共に去りぬ』に主演した伝説の女優である。彼女は、南北戦争時のアトランタの地に逞しく生きた女性・スカーレット・オハラを演じ、その年アカデミー主演女優賞を受賞。その後、世界中で「好きな映画ベスト1」に選ばれる『風と共に去りぬ』以外にも、『哀愁』や、『欲望という名の電車』などの名作映画に主演した。

華やかな女優としての活躍の裏でヴィヴィアン・リーは、2度の結婚と離婚、完治しない結核・その他の病気による苦しい闘病生活を経験し、53歳の若さで自宅でひっそりと亡くなった。大原さんの生涯と重なる。

大原麗子さんの持つ情熱的な女性らしさと、繊細で大胆な演技スタイルは、ヴィヴィアン・リーとタイプが似ていて、映画やドラマで人気絶頂当時のファンやご本人も少し意識していた様である。もう30年近く前になるが、あるバラエティ番組でスカーレット・オハラの赤い衣装を身に付けた大原さんはとてもイキイキして嬉しそう、そしてとても似合っていた。(多分「今夜は最高!」という番組。レット・バトラー役はタモリ・・・・。)

アラフォーの記者でさえ、映画での大原さんは『男はつらいよ』のマドンナ役などをTVで見る程度にしか知らない。やはり、「春日局」や「山河燃ゆ」などのNHK大河ドラマや、ビートたけし主演の『浮浪雲』の亀さん役などお茶の間での鑑賞がほとんどだ。数年前、バラエティ番組に出演していた時はとてもありがたい感じがした。自宅療養中も、放送中のテレビドラマをチェックし、「自分であればこう演じる。」など女優としての意欲は失わなかったという大原さん。もう、TVでも見れないなんて、まったく残念である。

戦後64年、戦後生まれながら昭和を鮮やかに彩った女優が亡くなった。家庭よりも仕事を選び、一人迎えた「孤独な死。」も大女優ならではなのかもしれない。心よりご冥福をお祈りします。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)