writer : techinsight

【金融ブラック・コラム】国民年金保険料への疑問。「払いたくても払えない」「払ったら大損?」

社会保険庁が先月末に発表したところによると、08年度の国民年金保険料の未納率が37.9%で過去最悪となった。08年度末の国民年金加入者は2001万人。その中で約800万人の人が保険料を払っていない事になる。さらに、この中には保険料を免除・猶予されている人が含まれておらず、含めた場合は未納率が54.4%にはね上がる。加入者の2人に1人を超す人が、保険料を払っていないのが実態だ。こんな状況で将来年金がもらえる訳が無い。年金にまつわるさまざまな人の意見を聞く。

「最初から入ってないから気にしない。」(男性 26歳)
「大学在学中も、国民年金の加入を無視し続け卒業しても就職できずフリーター。派遣やバイト先を転々とする日々。親が保険はいっているから大丈夫でしょ。年金?なんで自分よりカネ持ってる年寄りの為に保険料おさめなきゃいけないの?自分らが年寄りになる頃には年金のカネなんかもう無いでしょ?」

「結婚したら払わなくていいんでしょ?」 (女性 22歳)
「昨年、デキ婚で入籍し、子供と彼(学生・21歳)の実家で暮らす。年金?お金ないし二人とも就職したことが無いから手続きしてない。でも、子供の手がはなれたら教育費とかもかかるからパートもしたい。国民年金って結婚したら奥さんは払わないでもいいんでしょ?」

「ぜったい、もらえないって。」(男性 40歳)
「高い保険料払って、将来もらえるのが払った額より安いだなんてナンセンス。今は社会保険だけど、最近同業で社会保険をやめる会社が増えている。もしウチも国民年金になったら将来支払われる額が減ってしまう。未納者の多い国民年金はアブナイ気がするし、もしそうなったら数百万の“払い損”もありえる。」

「払いたくても払えない。」 (男性 29歳)
リストラで失業中。社会保険からハズされ、妻とともに国民年金に加入した。やむなく貯金を切り崩し払っているがキツイ。しかし、このまま希望の収入の就職先が見つからなかったら将来もらえる額が減っても免除申請するしかない。この制度何かおかしいと思う。

以上の意見から判断すると、多くの人が「年金」への関心、信頼がうすく、むしろ「年金払うヤツはバカ?」みたいな疑問さえ浮かび上がってくる。加入者の2人に1人が年金払ってない日本の国民年金、実は見てくれだけのハリボテに過ぎないのか?

次回【金融ホワイト・コラム】は、“金融・年金のプロ”であるFP(ファイナンシャル・プランナー)の伊藤亮太氏(『スキラージャパン』)からの回答。(ご期待ください。)
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)