writer : techinsight

【ドラマの女王】なぜ”今”このキャラ?”なんでもできる大人”になった草なぎクン。『任侠ヘルパー』。

今回の【ドラマの女王】は、祝・芸能界復帰の草なぎ剛主演ドラマ。『任侠ヘルパー』(フジテレビ系)。なにかスゴイ賞でも獲ったかのような、「スマスマ草なぎ復帰特番」から早1ヶ月余り。もう何事も無かったかのように連続ドラマの主演を果たす剛クンの最新ドラマは、なぜにこのタイミングにしてこのキャラなのか?と疑いたくなるような荒っぽいヤクザもの。でもこの『任侠ヘルパー』ってドラマタイトル、地味ながら大人気だった前クールの“あのドラマ”に似てないだろうか。

一度「お縄になって」帰ってきた草なぎ剛のたたずまいは、前と様子が違っている。もう、かつてのアイドルというだけでなく、なにか黒い影のようなモノが見えるようになった。これは役柄だけのせいではない。人生最大のピンチ、先の事件により、自分に対する世間の評価をマザマザ見せ付けられた草なぎクンは、このドラマで本当の再起を賭けている。ここで一皮向けた自分の魅力をみんなに再認識してもらわないと困るのである。

そんな状況の草なぎクンを一番良く見せるにはどうしたらいいか、考えた結果「極道」+「介護」=『任侠ヘルパー』という、「極道」+「先生」=『ごくせん』も真っ青のチグハグな設定のドラマになった。予想どおり、話題性もあり高視聴率でスタート、よかったじゃない。
第1回ゲスト、老人介護施設「タイヨウ」の入居者で認知症の倉田チヨ(池内淳子)は、幹部争いの為にヘルパーとして働く暴力団員の翼彦一(草なぎ剛)を息子だと思い、言われるままに金を渡してしまう。

息子を思うチヨの心に感化され、心に変化を表わす彦一。身も心も腐りきったハズの渡世人が、「ヤクザ」の世界から一転、「介護」の世界に身を置く。そして様々な人と触れあい人情を学ぶ話。これは、前クール話題をさらった深夜ドラマ、遠藤憲一主演の『湯けむりスナイパー』の設定にそっくりだ。タイトルの“ごろ”も似ている。ただ、『任侠ヘルパー』の彦一は、『湯けむり~』の源さんと違い、ヤクザ(源の場合は殺し屋)を捨てた訳ではないので、心の表面は悪(ワル)のままである。が、ラストは確実に人間らしさを取戻させるのだろうし、平安の地「タイヨウ」は彦一のせいできな臭い危険にさらされるハズ。(源さんの場合は旅館・椿屋だった。)

いくらダークになったとはいえ、さすがに『湯けむり~』の源さんのように、ドラマ終盤にエロいベットシーンを演じたりはさせないだろうが、たばこ吸ったり、老人にカネせびったり、今までにない「ワルの剛くん」がいっぱい見れる演出だ。最終的には『湯けむり~』の源さんよろしくサクラふぶきの下でピストル撃ったり、雪の中傘さして暴れたりするのだろうか。(夏だからそれはないかな。)

「草なぎ剛は、“なんでも”出来るもう大人。」という事をドラマを通して世間に訴えてるみたいだけど、こんなメッセージ。どう受け取ればいいのか。
こども店長、加藤清史郎くんにだけは期待する。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)