writer : techinsight

HPが秋モデルパソコン発表 女性をターゲットにしたプロモーションを展開

女性向けのパソコンは如何にあるべきやというテーマは、インターネット普及期からさまざまに考察されてきたが、今のところ明快な答えは出ていない。

一般的な傾向として性能や拡張性よりも、使いやすさやファッション性が求められることは確からしいのだが、今般、日本ヒューレッドパッカードが発表した秋モデルパソコンは、女性向けファッションWebサイトとコラボしたプロモーションを展開していくとしている。

新モデル「HP Mini 110」の筐体デザインには、エネルギーがぶつかり合うさまを表現した「ZEN-design」の“uzu(渦)”をデザインパターンに採用する黒ベース(漆黒)と白ベース(白磁)の2種類に加え、HPとしては初となるピンクベースのモデルが用意されている。

全てのデザインパターンは塗装ではなく、成型過程でボディ素材の内部にパターンを転写する「HP Imprint」テクノロジーを採用しており、精巧で美しい外観の実現と耐久性を両立する。

ピンクベース(淡紅藤)のモデルには、カンナの花をモチーフとしたデザインパターン“canna(カンナ)”があしらわれている。

これまでアメリカやヨーロッパを拠点に、大手メーカーの生活用品から携帯電話まで幅広い分野において、インダストリアル・デザイナーとして活躍してきた経歴を持つHPの女性デザイナーによるデザインだ。

デザインのモチーフとなっている「カンナ」は、開花期間が長く、カンナ属だけからなる単型科に分類され、類縁がいない“単一”の植物で、輝き続ける自立した大人の女性をイメージしている。

そのカラーも単一的なピンクではなく、主張しすぎず、かつエレガントな色味に整え、大人の女性の持ち物として魅力のある仕上げ。
その複雑な色合いを表現するために、6種類のインクが絶妙に配合され、日本では古くから親しまれている「淡紅藤(うすべにふじ)」に近いその色調は、見る角度によって微妙に変化し、ときには淡く、そしてときには力強く個性を主張する。

今回、「HP Mini 110」の発売にあたり、女性向けのアプローチをさらに推し進め、女性がブログでファッションやおしゃれを楽しむファッションサイト「dress☆up!」をオープンする。

洗練されたデザインとWebプロモーションのシナジーにより、女性にとってのパソコンがライフスタイルの一部になることを日本ヒューレッドパッカードは提案している。

女性向けパソコンというテーマでは、これまで国内主要メーカーが人気キャラクタとのコラボや、育児コミュニティとの連携などをテーマにプロモーションを展開してきているが、いずれも一定の成果は出しているものの、大成功と呼ぶには遠い状況だ。

携帯電話が女性にとっての必須ツールになっているのは、それが恋愛ツールであると同時に女性同士の共感ツールだからである。

女性向けパソコンについても、同様のコーディネートが必要になってくるだろうが、日本ヒューレッドパッカードの新戦略ではどのように展開されるかが注目されよう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)