writer : techinsight

【お笑い峰打ちコラム】アンタ柴田 動物芸人の面目躍如

 16日、「アンタッチャブル」柴田英嗣(プロダクション人力舎)の著書「アンタッチャブル柴田英嗣の日本一やかましい動物図鑑」が発売された。芸人本発行ラッシュが続く中、これには期待が持てそうである。

 柴田は大の動物好きとして知られている。愛情ばかりではなくその知識も相当のものであり、自身のブログや数々のテレビ番組でその深遠さを披露してきた。

 芸人が芸以外のことについて熱く語り、世間からも受け入れられている代表格として思い浮かぶのは、土田晃之をはじめとする家電芸人たちである。身近な物でありながら日々複雑化していく家電の魅力をわかりやすく伝える彼らは、地デジ移行という時流の追い風を受けてあっという間に世間に浸透した。

 家電に対し、動物に関する知識は知っていようがいまいが我々の生活にはさほど影響はない。それでいながら柴田の動物トークには一聴の価値がある。役に立つ立たないはさておき、単純におもしろいのだ。

 柴田の動物トークは、ユニークな生態や身体的特徴についてつっこみ倒すスタイル。その勢いは相方・山崎の隣でただ微笑んでいる見慣れた柴田のそれではなく、栄冠を勝ち得た2004年のM-1を髣髴とさせるものである。鋭い視点からくり出されるハイテンションな動物に対するツッコミは、お笑い芸人としてのポテンシャルのほとばしりだ。さすが、一種の珍獣ともいえる山崎に長年つっこんできただけのことはある。

 そしてそれは、文章にしても読むに値するものであることはブログで証明済み。普段口頭で行っているネタをただ文字に置き換えるだけの愚にもつかない芸人本が多い中、柴田の著書はまばゆいばかりに異彩を放つことだろう。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)