writer : techinsight

【ドラマの女王】福田沙紀の“萌えない”メイド「伝説のマンガ」“パクリ”ドラマ。『メイド刑事』。

今回の【ドラマの女王】は、福田沙紀主演の『メイド刑事』。映画『ヤッターマン』では深キョンのドロンジョ様の影にかくれ、けなげにヤッターマン2号だった沙紀ちゃんであるが、元々沙紀(サキ)という名前は、南野陽子ファンの母親が「スケバン刑事」の主人公、麻宮サキから取りつけたという話。念願の「スケバン刑事」南野陽子との共演も予定されているらしく、「スケバン刑事」のリメイク『メイド刑事』は、親子2世代の視聴者を取り込もうと必死なようだ。

17歳の少女にて警視庁特命刑事・若槻葵・ワカツキアオイ(福田沙紀)は、若き警察庁長官・海堂俊昭(原田龍二)からの命を受け、通常の捜査では手が出せない権力者の家に住み込みのメイドとして働く。そして自ら危険な潜入捜査にしたがっている。犯罪を摘発するため周囲に気を配り、メイドとして申し分ない仕事をこなす葵。彼女は様々な豪邸へ使えるが、本当のご主人様は海堂俊昭ただひとり。心に傷を持ち、手のつけようのない不良少女であった自分を『メイド刑事』として育ててくれた海堂への恩がいつしか愛に変わっていた。

潜入操作で危険な目にあわされたら、重さ2kgの特殊重合金を素材とした“花王クイックルワイパー型?の「キューティ☆クリーナー」”という武器を使い、身をかわし敵を成敗する葵。毎週、事件が煮詰まってくると「悪の汚れ、お掃除させていただきます!」というキメセリフを吐く。セーラー服がメイド姿に、ヨーヨーがキューティ☆クリーナーになっただけで、まるっきり設定が『スケバン刑事』と一緒な『メイド刑事』。面白くないとは言わないが、アラフォーの記者にとっては心境複雑だ。

元々少女マンガとしてはめずらしい男性作家・和田慎二による『スケバン刑事』。母が父を殺し、自らも不良少女として犯罪に手を染めた主人公の“麻宮サキ”が、男の刑事と共に、過酷な操作を繰り広げらるといった、フランス映画「ニキータ」、米映画「アサシン」もこのマンガをパクッたのでは?と疑いたくなるほどよくできたハードボイルド・タッチなマンガだった。それを25年くらい前に斉藤由貴がTVドラマでサキ演じ人気を集め、その後も南野陽子や浅香唯などで続編がつくられた。わりと近年、あやや(松浦亜弥)がサキを演じ再映画化もされたが、これぞ原作レイプもいいところ。どんどんハードさはそぎ落とされ、常にクールなサキはアイドルのように可愛くちゃいけないのである。

その「スケバン刑事」をさらに「美少女アイドル輩出型コンテンツ」として仕様されたものが福田沙紀の『メイド刑事』。声も低く、テンションも低い福田は、本来のサキにわりと近いような気もするが、この葵。普段は“ツン”なのに原田龍二に“デレ”になるのが気になる。もっと若い男でなくていいのか?原田が『水戸黄門 』の助さんだからか?福田サイド的には原田でいいのか?など、葵が海堂にデレデレなシーンを見る度にいろいろと考えさせられるのである。メイドに“萌えない”上にナゾだらけのドラマだ。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)