今回の【ドラマの女王】は木下あゆ美主演の『怨み屋本舗 REBOOT』(テレビ東京系)。正直「特捜戦隊デカレンジャー」くらいしか出演の記憶のない木下あゆみが、冷徹で計算高い「復讐代行業」の女を演じるホラーサスペンス。おどろおどろしい怨みの数々と容赦ない復讐に見ていて思わずゲンナリだけど、人間の心の中には他人の不幸に「蜜の味」を感じる性質があり、こういった残酷なドラマは意外に人気。残酷ないじめへの復讐に続く、第二話、「もう一人の復讐者・前編」は“逆恨み”がとんでもない事に・・・・。
何らかの怨みを持つ人間の元に届く「あなたの怨み晴らします。」と書かれた名刺。怨み屋と名乗る謎の女が、多額の報酬と引き換えに「社会的抹殺」や「実質的殺害」といった方法で依頼者の“怨み”を晴らしていく。ヒュー、ドロロロロ~。ああ、怖い。やっぱこういうドラマは夏だね!
前回は、陰湿ないじめを苦に自殺した娘の母親の依頼により、その原因となった学校裏サイトを操る担任教師の殺害と、娘に援助交際を強要していた同級生の少女たちを売り払ったしのぎを見せた怨み屋本舗。「エンコー数が500人!」、「売られた少女はどうなるの?」と、ショックな展開が続く。結果的には娘を失った母親が金で人殺し・人身売買を依頼した結果になり、ドラマとして道徳に反する。が、実際に起きる凶悪な事件を考えるとこの親の気持ちも分からなくも無い。「殺してやりたい。」という怒りは誰にでも起こりうるのだ。
一時の怒りや逆恨みの怖さに焦点をあてた今週の「もう一人の復讐者」前編は・・・・・。
ダメ会社員の興津(山本浩司)は、優秀な同期・久里浜の活躍を疎ましく思い、彼を社会的に抹殺してほしいと怨み屋(木下あゆ美)に依頼する。しかし、“逆恨み”の依頼は引き受けないと断られる始末。興津は、やり方の汚い他の復讐代行業者・大多喜に久里浜の件を依頼。大多喜(中村有志)は手下の男と久里浜の家に乗り込み、久里浜の両手を潰す大ケガを負わせ、妻にも危害を加えるが・・・・。今度は大多喜から脅されるはめになった興津は、怨み屋に泣きつき、大多喜を殺害してほしいと依頼する。その後、怨み屋は大多喜と手を組む謎の女マキの罠にはまり、絶体絶命の危機に襲われる。
途中に出てきた、エロ社長の赤ちゃんプレイを録画し脅す、SM嬢、とか、会社でセクハラされる女とか、ホステスとか、新聞記者とか、主人公以外にもキレイなお姉さんが何人も出てきて、誰が誰だかわからなくなる。
逆恨み相手への暴行が残酷。ある意味これが毎週の「見せ場」ではあるが、不快感はぬぐえない。事件の真相を追う東京ベイテレビの新米報道記者・星影(長谷部瞳)が、上司の命令で、被害者の知人のインタビューから「(被害者は)いい人です。」部分を削除。それを見た被害者の新たな怨みを生む。いつも常識的な星影が、しらないうちに加害者になる。そんな報道のリアル見せる。
今回、冴えないダメ男の依頼者・興津に扮しているのは、『蟹工船』、『色即ぜねれいしょん』、『カムイ外伝』と立て続けに出演し、ドラマ中「あの人、“童貞”よきっと。」というOLのセリフどおり、8月8日公開の映画『童貞放浪記』では主演の童貞男・金井を演じる山本浩司。今回はどうしようもないダメサラリーマンを演じているが、彼は知る人ぞ知る“天才俳優”。自分の引き起こした事態を金で解決させようとする愚かな男になりきっている。あとは、“ハリウッド映画俳優のハズ”の加藤雅也が、怨み屋の情報屋として働いている。この人、「腐っても鯛」でやっぱりカッコイイ。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)