IT大国の意外な実態だ。インドの中間富裕層の2人に1人はインターネットを全く使用しないことがわかった。
中国・インドを中心としたアジアでマーケティングリサーチおよびコンサルティング事業を行うインフォブリッジホールディングスはきのう・17日、「インド ライフスタイルレポート2009」を発表した。
この調査は、今年の3月から4月にかけてインドの5大都市(デリー、ムンバイ、チェンナイ、コルカタ、バンガロール)において消費者の生活実態や価値観などを訪問調査形式で行ったもので、1000人以上へインタビューを敢行し、情報収集および分析が行われた。調査は昨年に引き続き実施されたもので、インドの「今」を如実に把握できる内容となっている。
調査対象となったのは、中間富裕層に相当する世帯年収が20万ルピー以上の20歳から49歳までの男女で、調査項目は家族人数、住居タイプから投資経験、旅行の頻度、入浴頻度、メディア接触状況など50項目。多岐にわたる項目の、それも訪問による調査であることから、日本の国勢調査に限りなく近い信頼度があると言える。
調査の中で、世帯保有物について聞いたところ、全体では「カラーテレビとLCDテレビ」が最も高く99.0%に達した。次いで「冷蔵庫」が95.4%、「生命保険」が90.4%、「DVD/CDプレイヤー」が80.3%などとなっている 都市別では、デリーで「車」が63.9%と他都市と比べ高く、 チェンナイとバンガロールでは、「バイク」がそれぞれ90%前後と高くなっている。
個人保有している商品に関しては、「携帯電話」が95.3%と最も高く、以下「ポータブルミュージックプレイヤー」が13.5%、「何もない」が3.9%などとなっている。
また、調査ではスポーツの頻度についても尋ねたところ、「スポーツや運動をしていない/したことがない」人が69.0%に達した。一方、「ほぼ毎日している」と回答した人は18.7%にとどまった。さらに、インターネットの利用頻度について尋ねたところ、「全く使わない」が54.1%と最も高く、「ほとんど毎日」は25.9%、「週に2~3回」は9.7%であった。 都市別では、デリー、ムンバイで「ほとんど毎日」が他都市と比べ高く、チェンナイ、バンガロールでは「全く使わない」が他都市に比べ高い結果となった。
なお、調査を行ったインフォブリッジでは、この「インドライフスタイルレポート2009」のリリースに伴い、株式会社ムロドーが運営するインドに関するニュースサイト「インド新聞」においてレポートの簡易版を無料進呈している。「インド新聞」内の特設サイトにて来月15日まで受け付けている。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)