writer : techinsight

【3分でわかる】桜蘭高校ホスト部 前編

 雨、雨、雨。洗濯物は乾かないわ、食べ物は傷みやすいわ、髪形は決まらないわの鬱陶しい季節がやって来た。こんな時には流行の巣ごもりを決め込み、漫画を読むのもまた一興。LaLaで連載中の「桜蘭高校ホスト部」でじめじめ気分を吹き飛ばそう。

 上流階級の子息が集まる「桜蘭高校」に、奨学特待生として入学した「藤岡ハルヒ」。ふとしたことから美麗男子6人で営業している「ホスト部」の部室に足を踏み入れ、高価な花瓶を割ってしまった。その弁償のためにホスト部で活動することに。嫌々ながらも小柄で美少年然としたハルヒは天然系愛されキャラとして瞬く間に人気者となった。

 女性客はおろかホスト部の自称“キング”である「須王環」からも寵愛を受けるハルヒ。それが原因で環の得意客から嫌がらせを受けるも、真相を知ったホスト部メンバーに救われる。問題が一つ解決しさあこれからという時に、ハルヒが実は女の子だったことが発覚した。

 ここまでが第1話。もともと読みきりだったためか、なんとも盛りだくさんである。少女漫画にありがちな設定やエピソードをぎっしりとつめ込んだキラキラの宝石箱。この時点でお腹いっぱいに感じるのだが、ここから先がさらにおもしろくなるのだ。

 細かなことはさておき、高校のホスト部というところにつっこみたい人が多いであろう。なぜホスト部なのかは物語の後半で少しずつ明らかになってはきているが、とりあえず気にしなくていい。

 一応解説しておくと、ホスト部は部員がホストを務めるホストクラブであり、客の多くは校内の女生徒たち。金は取ってはおらず、運営費は部員たちの写真集や私物の売上金などでまかなわれている。部室は第三音楽室を使用。運動部でも文化部でもなく、顧問もいない。環が有能な人材をスカウトして立ち上げた部であり、実際の経営は副部長の「鳳鏡夜」が取り仕切っている。

 ホスト部というくらいだから、そりゃもう魅力的な男子キャラがわさわさ出てくる。彼らを愛でるだけで心の雨雲も晴れるというものだが、ただのハーレム漫画とあなどってはいけない。作者が用意したひねりが所々に潜んでいて、それが笑いに直結する、少女漫画では珍しいタイプの作品となっている。後編へ続く。

(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)