今年で3度目を迎える吉本興業企画制作のお笑いフェスティバル「LIVE STAND」。これまではゴールデンウイークに期間中開催されていたが今年は7月18日~20日となっており、まさに夏フェスの様相を呈している。それに併せて数々の趣向が凝らされているようだ。
その目玉がテレビ番組とのコラボレーション。「爆笑レッドシアター」「あらびき団」のスペシャルステージに「アメトーーク!」人気企画「立ちトーーク!」、今もっとも人気のあるお笑い番組がライブスタンドの会場にやってくる。
さらには、おなじみとなった他事務所所属芸人の出演。今年はナイツ(マセキ芸能社)、髭男爵(サンミュージックGET)、TKO(松竹芸能)、狩野英孝(マセキ芸能社)など、第一線で活躍中の面々が吉本のイベントに花を添える。ここで気になることがひとつ。
レッドシアターにレギュラー出演している芸人は、メインMCである「ウッチャンナンチャン」内村をはじめ半数以上が非吉本芸人である。あらびき団は言わずもがな。アメトークではたびたび他事務所をフィーチャーしており、4日には非吉本芸人が集う「吉本うらやましい芸人」が放送されたばかりだ。これらの企画に非吉本芸人が登場するかは明らかにされていないが、もしそうならば他事務所への依存がすぎるのではないか。
しかしこれを吉本帝国崩壊の序曲とするにはあまりにも早計である。私はむしろ逆、帝国の健在を存分にアピールしているように思えて仕方ないのだ。
吉本の名において用意した巨大なステージに他事務所の芸人を呼ぶ。これは吉本の力を誇示するためのパフォーマンスにも見える。富裕層が一般庶民をディナーに招くような、寛大さと尊大さの同居。あくまでも上から目線で、楽しんでいってくれたまえ^^ってなもんだ。
もちろん吉本の利益にならないような芸人は呼ばない。参加できる非吉本芸人はそこそこの知名度を持ち、動員数増の一端を担えなければならないのだ。大手ならではの戦略で常にトップを走り続けてきたお笑い帝国、吉本。現状では他事務所の猛攻もまた、利用価値があるということか。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)