「はんにゃ」川島章良(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)のブログが炎上しているらしい。きっかけは11日に放送された「いきなり!黄金伝説」(テレビ朝日系)での“暴言”にあるという。詳しい経緯は【エンタがビタミン♪】で追っているので、そちらに目を通していただければありがたい。拙コラムではお笑いの見地からこの騒動について考えてみる。
15日午後8時現在、川島のブログに寄せられたコメント数は実に1万7千を超えていた。とりあえず目を通そうとクリックしてみると、あまりの情報量ゆえかわが家のパソコンが参ってしまい、すべてを表示することができたのは30分後。このコメント数は尋常ではない。
川島の“暴言”とやらは、確かにまったくの見ず知らずの人間に言われていい気分はしない類のものである。しかし川島はお笑い芸人であり、テレビ番組収録のカメラが回っている場でのことだ。なんのことはない、私にはこの“暴言”は単純に笑いを取ろうとしての発言であり、それ以上でも以下でもないとしか思えないのであるが、いかがだろうか。
問題の放送ではんにゃが挑戦していたのは「超人気焼肉店の全メニューを食べ尽くす」伝説。この「食べ尽くす」シリーズは、あまりの過酷さに芸人の心が折れたり、キレながらも食べ続けたりする場面が見所となっている。あの川島の発言はキレを演出(または誇張)したものなのではないか。また、「アンタと違うんだよ!」は元総理の発言を意識してのギャグのつもりだったのかもしれない。真相はともかく、この騒動に一番驚いているのは川島本人であろう。
はんにゃは昨年、爆笑レッドカーペット出演がきっかけで大ブレイク、瞬く間にスターダムを駆け上がった。この急激な環境の変化に当人たちがついていけなかったことは想像に難くない。自分の発言でどれだけ周囲が動くか、大勢の人に影響を与えるかが測りきれていないのであろう。
くわえて、このネット社会である。悪い噂は1秒で地球を7回半めぐるのではと思うほど、まさに光さながらの情報伝達の速さ。たとえそれが個人発信であろうとも悪意は悪意を呼び、雪だるま式にブログは火だるまになる。
笑いのためなら人を傷つける是非については拙コラムでたびたび扱ってきたし、各々方の考え方に口を出すつもりはない。しかしひとつだけ言いたいことがある。ネットは悪口を言うためのツールではないということだ。こういう時にここぞとばかりにブログのコメントや掲示板に書き込む方々の存在は、私には都市伝説としか思えない。なぜって、そんなことをしても楽しくなさそうではないか。おまけにコメントするだけで30分(わが家調べ)もかかるというのに、ご苦労なことだ。
しかし川島のブログに関しては、悪し様な罵りの言葉よりも温かな叱咤や励ましが多く見て取れた。川島にはいい勉強になったと気持ちを切り替え、元気にズグダンズンブングンゲームに興じてほしい。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)