どうにかしてパフォーマンスを向上させたいと日々精進を重ねる若手アスリートたちは、ヒマを惜しんでジムに通うものである。ところがそのジムで許しがたいアクシデントが発生し、一人の有望な野球選手から片方の目を奪い取ってしまった。
「フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)」が2014年にドラフト2位で指名し、現在は傘下のマイナーリーグ・チームで左投げピッチャーとして活躍し、将来的にはフィリーズの選手としてメジャーリーグに出場することが有望視されていたマット・イムホフ選手。まだ22歳の彼に大変な悲劇が襲ったことをフィラデルフィアのメディア『philly.com』が伝えている。
事故が起きたのは先月下旬のこと。いつものようにジムで汗を流す中、壁に取り付けられたゴムチューブを引っ張りながら筋力をアップさせる“レジスタンス・バンド”を使用していたところ、壁の取り付け金具が抜けてものすごい勢いで彼の顔をめがけて飛び込んできた。眼球ばかりか鼻骨も砕いたという。マット選手はすぐにマイアミ大学バスコム・パルマー眼科研究所に搬送されたがダメージはあまりにも大きく、このほど右目の眼球摘出手術が行われた。医師は彼に「ブドウがはじけるかのように眼球がつぶれていた。救う道を模索したが叶わなかった」と無念そうに語ったという。治療は今後も続き、最終的には義眼でも通常の生活を送れるようにすることが目標になるようだ。
病院のベッドに横たわりながら、インスタグラムで自分の状況を淡々と伝えるマット選手。「ここ1週間、人生最悪の時を過ごしている。でも温かく支えてくれる家族や友人のためにも希望や祈りを忘れず、人々の親切に応えながら、この苦境に屈することなく頑張って生きていきたい。世界最高と呼ばれる医療スタッフが診てくれていることに感謝している」などと前向きであるようだ。
今までの記録は173イニング投げて防御率3.69。ここで彼のMLBのマウンドを踏む夢は砕けてしまったようにもみえるが、左目はほぼ盲目ながら天才的ピッチングを見せるフリオ・ウリアスという同じく左投げの19歳の選手が「ロサンゼルス・ドジャース」で活躍しており、彼の存在にも大変励まされている様子だ。
出典:http://www.philly.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)