極度の潔癖症、あるいは清潔好き、バイ菌恐怖症などと呼ばれる人々がいる。しかしここまで至る前に、本人や家族も危機感を覚えなければなるまい。自室で消臭剤、制汗剤などのスプレーを使用しすぎた少年が急死という事件がイギリスから伝えられた。
ある少年が、自身に向けて幾度も消臭・制汗剤をスプレーし続けた結果、たった16歳にして自らの命を落としてしまった。死亡したのは英ケント州フォークストンの児童養護施設で暮らしていたトーマス・タウンゼンドさん(16)。5年間ある家庭の養子であったが、昨年2月その施設に入所し、その半年後である8月29日に心肺停止の状態で自室に倒れているところを発見されたという。
9月からは大学入学を控えていたこと、普段から不安感を訴えて落ち着きがなく自傷行為なども認められていたことから、トーマスさんの死は不審死として調査は長びいたが、薬物の乱用も確認されず、裁判所は検視官が提出した「ブタンガス吸入を原因とする神経・循環器系障害による急死」という見方をついに受け入れたもようだ。トーマスさんの部屋には消臭剤、制汗剤の類がなんと42本もあったことがわかっており、母親は「トーマスはシャワーをあまり浴びない代わりにそうしたものを愛用していた」と話したという。
どのようなコミュニティにおいても汗や臭いは特に嫌われるとして、除菌・消臭といった清潔グッズなしの生活など考えられないという人が激増した現代。しかしスプレー缶には可燃性の高圧ガス(LPガスやDME)が使用されており、引火や爆発も怖いが人体にとっても有害。締め切った部屋で噴射されたガスを吸いこむ、目などの粘膜に刺激を与える行為は避けなければならない。
出典:http://www.kentonline.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)