「中高生は“夜活”に勤しむも、歯はみがかず!?」 中学生・高校生を対象に、生活実態とオーラルケア意識調査を実施したところ、そんな実態が見えてきた。夜に使える自由な時間(夜活)は平均3時間。その使い方で最も多いのが「テレビ」となったが、女子高生では「LINE」が約8割を占める。そうした“夜活”を過ごしながら、夜食後、3人に1人が歯みがきせずに就寝しているという。中高生の時期は特にムシ歯のリスクが高まるとされるが、それを裏付けるような生活実態が浮き彫りとなった。
中学生・高校生の時期は、夜食や間食の増加によってムシ歯のリスクが高まる。ライオン株式会社は、この時期にこそ予防歯科を習慣化させることが大切だと考え、『中学生・高校生の生活実態とオーラルケア意識調査』を実施。この夏、2014年の7月9日~14日にかけてアンケート調査を行った。調査対象:全国の中学1年-3年生および高校1年-3年生の男女。サンプル数:計600サンプル[各学年100サンプル(うち、男子50、女性50)]。
学校での授業や部活、そして塾や習い事などスケジュールが詰まった中高生にとって「自由に使える時間」は、1日平均187分で主な時間帯は「夜」。中学生に比べて高校生のいわゆる“夜活”時間は中学生と比べて約50分長く、中でも女子高校生の“夜活”内容は「LINEコミュニケーション」が堂々の1位で“イマドキ”を象徴する結果となった。
中高生全体での“夜活”の内容は、1位「テレビ」(79.3%)、2位「勉強」(60.3%)、3位「家族と会話」(60.2%)。「LINE等でコミュニケーションをとる」については、高校生になると利用が急増し、男子高校生ではテレビに次ぐ第2位の66.7%に。女子高校生ではテレビを上回る第1位の80.0%という結果が出ている。
そうした“夜活”を過ごしてから、就寝はいつ頃になるのか。平均的な就寝時間を調べたところ、0時以降になるという深夜型が38.8%存在した。また、深夜0時以降まで起きている中高生では、「LINE等でコミュニケーションをとる」(69.8%)、「スマホでゲームをする」(59.6%)といったデジタル機器による“夜活”内容が急増するのが特徴だ。
中高生は「自由に使える時間」である“夜活”も忙しいことが分かってきたが、“夜活”のお供「夜食」について聞いたところ、お菓子などの「夜食」を食べている中高生の3人に1人が「歯みがきをせずに寝てしまうことがある」という。さらに就寝時間「0時以降」の深夜型で「歯みがきせずに寝てしまう」のは39.8%となり、就寝時間が遅くなるほど寝る前に歯みがきしなくなるという傾向も見えてきた。
そしてオーラルケアに使用するのは「ハブラシ」が96.3%、「ハミガキ剤」が85.5%で、やはりブラッシングが多いが、「デンタルフロス」(11.7%)、「デンタルリンス」(15.2%)を“予防歯科”に取り入れる中高生も1割程度存在する。
“予防歯科”とはムシ歯などにかかってからの「治療」ではなく、かかる前の「予防」を大切にする考え方である。“予防歯科”先進国として知られるスウェーデンも、かつては多くの人がムシ歯や歯周病で歯を失っていた。1970年代にスウェーデン政府は“予防歯科”を国家的な一大プロジェクトとしてスタートし、現在では、世界で最も歯科疾患が少ない国と言われる。
ライオンオーラルケアマイスター・河村有美子さんは今回の調査結果を受けて、「一般的に、就寝中はムシ歯菌などの原因菌が急増するため、ムシ歯リスクが高くなり、特に歯みがきせずに就寝している中高生は、寝ている間のムシ歯リスクが高まる。就寝前のオーラルケアには、口の中のすみずみまで行き渡り、有効成分を残しやすい“デンタルリンス”をうまく活用しよう。“予防歯科”を実践する上で大切なのは、年に2~3回歯科医院での健診を受け、自分に合ったセルフケアを行うこと。中高生の時期から身につけていきたい」とアドバイスする。
なお、前回実施した“予防歯科”の調査結果サイト(http://clinica.lion.co.jp/yobou/new.htm)では、「“予防歯科”先進国スウェーデンに学ぶ」などの詳しい情報を見ることができる。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)