米国発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【米国発!Breaking News】コンドーム要らずの時代に? HIV・性感染症予防、避妊すべてOKの避妊具に期待。(イリノイ州)

米大学の研究チームが少し前に、コンドームに取って代わるというまったく新しいタイプの避妊具を開発し、霊長類やヒトによる実験を行っていた。商品化について専門家からは慎重論が多々聞かれるが、開発者は「期待通り」と自信満々だ。

ラテックス製からポリウレタン製へとコンドームは進化し、手軽に入手できる避妊具として支持率はやはりダントツに高い。また性感染症やHIV感染の防止策としてもコンドームが果たすべき役割は大きいが、「薄くなったとはいえ、できれば使用したくない」といった男性の声もある。それを受け止める形で最近アメリカで開発されたのが、写真で成人男性が両手のひらの上に乗せている白いリング型の避妊具、“The tenofovir disoproxil fumarate intravaginal ring(略称TDF-IVR)”であった。

リングはチューブとなっており、その中には妊娠を防ぐレボノルゲストレル、抗HIV薬テノフォビルといった薬剤が適量ずつ入っており、性行為で表面に水分が付着すると表面のポリマーがふやけ、薬剤が微量ずつしみ出るという仕組みだ。1リングで効果はなんと3か月間も続くといい、霊長類での実験ではHIV感染予防効果は100%であったことが認められ、昨年11月から30人の女性による14日間の臨床試験もあった。

この避妊具を開発した米イリノイ州「ノースウェスタン大学」のパトリック・カイザー教授は、同避妊具の効果にますます自信満々な様子だが、多くの専門家らは数年にわたる調査がさらに必要だと見ている。HIV撲滅チャリティイベントで知られる「テレンス・ヒギンズ・トラスト(Terrence Higgins Trust)」のジェイソン・ウォーリナー氏も、「避妊具の新たなる幕開けには大歓迎だが、皆さんにはやはり、コンドームの着用が一番だとアドバイスしたいです」と慎重。具体的な商品化はまだ先のことになりそうだが、教授は「貧しく避妊具の入手が困難なために性感染症やAIDSの罹患率が非常に高い、サハラ砂漠以南の国々の女性をこれで救いたい」と話し、一刻も早い商品化に意欲を見せている。

※ 画像はnatap.orgのスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)