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絶版書籍がiPadに蘇る?オンライン書店「絶版堂」プレオープン。

読みたかった本、後世に残したい本が、iPadに蘇る。絶版書籍をデジタル化しデータ販売してくれるサイトが登場した。

株式会社一騎は、絶版となった書籍をその著者から委託を受けてデジタル化し、データ販売を行うウェブサービス「絶版堂」をプレオープンした。8月の本格始動を目指す。

近年、iPadの人気などをきっかけに各出版社では書籍のデジタル化への動きが活発になっている。しかしながら、すでに出版社が権利を手放した絶版の書籍に関してはその対象とはならず、それらの多くは依然として図書館や古書店で探すしかないという状況が続いている。

とは言え、絶版となった書籍に需要が全くないわけではない。中には「復刊ドットコム」などのサービスで多くのリクエストを受けて実際に復刊される書籍もある。また、著者自らがデジタルデータを販売している例もある。

「絶版堂」はこうした需要に応え、絶版となってしまった書籍を電子書籍としてもう一度日の目を当てる、一言で言えば「温故知新」を具現化したサイトだ。絶版書籍を探したい人と売りたい人との架け橋として期待されている。

扱う書籍は絶版となった書籍が対象で、書籍の著作者より販売委託を受ける形で受け付ける。著者から送られた書籍を株式会社一騎がPDFファイル形式でデジタル化し、「絶版堂」のサイト上でダウンロード販売を行う。

売上に関しては、販売価格から決済費用の実費を引いた金額の65%を著作者に支払うので、著者にとっては大きなメリットがあると言えよう。また、「絶版堂」では紹介者制度も設けており、販売価格から決済費用の実費を引いた金額の10%が紹介者に支払われる。

現在、「絶版堂」はプレオープンしており、委託書籍の募集を行っている。データの販売は今年8月の予定だ。
(TechinsightJapan編集部 鈴木亮介)