writer : techinsight

【お笑い峰打ちコラム】アメトークはなぜおもしろいか

 いまや大人気番組となったアメトーーク!(テレビ朝日系)。テーマごとに該当するお笑い芸人を集めてニッチなトークを繰り広げるという、新しいスタイルを確立させた。

 次々と生み出される○○芸人という言葉はあっという間に広まり、市民権を得てきた。家電芸人しかり、じゃない方芸人しかりである。

 ○○芸人たちのトークには妙な求心力がある。彼らが目を輝やかせて話す様を見ていると、これまで興味のなかった事柄にも心が動かされてしまうのは私だけではあるまい。

 登場する芸人みながみな、トーク巧者というわけではない。口を開くたびにスベる芸人だっている。それでもおもしろい番組に仕上がっているのは、アメトークというハード自体が力を持っているからだ。

 テーマ選びにはじまり、演出、構成、編集など番組の隅々まで練り込まれているのがブラウン管を通して伝わってくる。芸人のおもしろさを最大限に引き出す工夫が随所に感じられるのだ。

 ただ芸人を並べておしまいではなく、型にはめすぎて芸人の良さをつぶすのでもない。だからこそ芸人のモチベーションも上がり、ますますトークが冴えていく。アメトークのおもしろさの秘密はソフトとハードが理想的なバランスで支え合っていることにあると、私は考える。

 放送開始からもうすぐ7年。あと何年続くかはわからないが、現時点でもお笑い史にその名が刻まれるのは確実であろう。俳優でも芸術家でもできるトークを、お笑い芸人があえてする意味を見出した番組である。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)