writer : techinsight

【クリたまTVウォッチ!】 なぜ今更ビートルズ風?「女性版」のように上手くはいかない“美男4人CM”、大失敗の予感。

8月の末から放送されている資生堂の男性用の新整髪剤のテレビCM。木村拓哉を起用した他社のヒット商品に対抗してパッケージもオシャレな新感覚な整髪剤を、男女共につかってほしいとイケメンたちがアピール。キムタク対策として、妻夫木聡、小栗旬、瑛太、三浦春馬と豪華4人の旬な美男俳優を起用したが、同社女性版のシャンプーのCMに比べていまいちインパクトが薄い。こんなんで大丈夫なの?

「デケデンデンデンデンデン~、デケデンデンデンデンデン~。」と、軽快な音楽に乗って、ビートルズ風の装いの妻夫木聡、小栗旬、瑛太、三浦春馬の4人が、ロンドンの街をビートルズよろしく駆け回るCM。この商品は、木村拓哉のうねうね人間のCGでおなじみの(一人勝ちしている)ライバル商品に対抗して生まれた商品らしい。今回なぜ、4人もイケメンを揃えてみたかというと、元々は男性用として発売したヘアワックスが、キムタク起用によって女性に購入されたという「うれしい誤算の2匹目のドジョウ」を狙っている。商魂たくましさもここまで来ると複雑だ。

しかし、広末涼子、竹内結子、鈴木京香、仲間由紀恵など多数の女優を起用し成功した同社のヘアケアブランドのCMに比べ、その「男性版」と言われる妻夫木、小栗、瑛太、三浦の4人の無難すぎる美男はあまりにもメリハリが無く、インパクトが薄い。せめて松田の弟とか、榎本の弟とか、一人は目を引く「個性キャラ」を入れても良かったのではないか。

そして、なぜ女性版のヘアケアCMがウケたかというと、「子持ちバツイチになってもこれからガンバルわよ。」by広末涼子、竹内結子。「40過ぎちゃったけど、まだまだ小娘には負けないわよ。」by鈴木京香。のような、なにかこう“女の意地”みたいなモノが商品の赤いイメージにぴったり合ったというか、それを使う主婦やOLの内情と、女優の私生活がリンクするような部分があって支持を得たような気がするのだが、男性版の4人は、味のうす~い和食フルコースみたいなキレイな男たちで、そういったドロドロした背景が無い。考えようによってはキムタクもドロドロしている。

従来のジェルやフォームに用いられた固まる素材は使わず、髪にセットした後も、固まらずに柔らかい皮膜で髪を覆い続けるという、“扱い勝手のいい”商品を象徴したような、無害なイケメンたちの起用。「草食系男子を4人集めてみました!」と言われればそれまでなのだが、似たもの同士の人気者が、お互いを殺しあっているようにしか見えない。同じ服装の同じ髪型の4人は、没・個性化している。

それにしても、なぜ今更ビートルズなのだろう?全体的に「絵が古臭いCM」を流して、お父さん世代まで巻き込もうとしているのか?
いずれにしろ、異常に欲張りな商品アピールである。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)