writer : techinsight

【ドラマの女王】”深夜枠”で”お色気ナシ”でも数字が取れる、福田沙紀のすごさ。『メイド刑事』

今回の【ドラマの女王】は、福田沙紀主演の『メイド刑事』(テレビ朝日系)。少女マンガ『スケバン刑事』の焼き直しのゆる~い刑事ドラマかと思ったら、意外にアクション、サスペンス要素も盛りだくさんで面白かったこのドラマ。福田の清潔感もあいまってつい金曜深夜枠という事を忘れてしまっていた。このドラマ、他の時間の方が視聴率がとれたのでは?

『メイド刑事』の視聴率は、だいたい7~8%平均。多分、世界陸上などが裏にあったりで、妙に低い日もあったが同局のゴールデン『コールセンターの恋人』や、TBS系の『オストロスの犬』よりも高い日もあるので、制作費や時間帯の割には健闘している方だろう。

このドラマのヒロイン葵を演じる福田沙紀は、事務所先輩の上戸彩とは違い結構視聴率をとってくる。TBS系の『だいすき』(主演:香里奈)では主人公ゆずの弟・蓮(平岡祐太)を愛してしまう義理の妹役で出演。後半の視聴率をぐいぐい引っ張り上げた。そしてその前年のフジテレビ系ドラマ『ライフ』では、いじめの主犯格の女子高生を演じ、ただでさえ問題作をさらに迫力あるものに変えた。『ライフ』は平均二桁、最終回は17%越えと高い視聴率を獲得。たまたま作品に恵まれたというのもあるが、福田の力は大きい。

男女受けするかわいらしい容姿とは裏腹に、性格がキツかったり、暗い過去があったりする役も上手に演じる福田は、若者に受け入れられやすい。どこへ行っても袋小路で、不景気しか知らない現代の10代を考えると、何もかもキラキラとしている派手な20代の上戸彩よりも福田の方が親しみやすいのかもしれない。

ムダに笑顔を振りまかず、アクションに力を入れる。そんな福田沙紀の良さを前面に出した『メイド刑事』。爽やかで家族向けのドラマなのでもっと早い時間にやってもらった方が良かったのではないか。金曜深夜のこの枠は、昨年末の『サラリーマン金太郎』(主演:永井大)以降あまり振るわない。その要因はズバリ、「お色気」が足りないからだろう。先輩の上戸彩同様、福田沙紀にこの枠で期待される「お色気」を匂わす芸当は無い。
いかに、ドラマ・ヒロインと女優がピッタリ合っていても、放送する時間帯のニーズに合っていないと「大ヒット」しないか。そのいい例である。

(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)