writer : techinsight

否定意見多いが盛り上がっているドラクエⅨ

7月11日にスクウェア・エニックスより発売されたニンテンドーDS用ソフト『ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人』だが、盛り上がるところでは盛り上がっているものの、それ以上に否定的な意見も数多く見られる。今回はそんな中からいくつかを取り上げてみたい。

『ドラクエⅨ』への否定的な意見としては、
「本編は据え置き機で出して欲しかった」
という意見が多数。
確かに携帯機だと小さな画面でプレイするため、慣れた人でも目が疲れやすい。また、性能面で携帯機が嫌だという人も少なくない。前作『Ⅷ』がプレイステーション2で、初のフル3D作品となっただけに、次の『Ⅸ』がPS2よりも性能で劣るDSで発売されたという点が残念なのだろう。このあたりは本当に人それぞれの好みや考えになってしまうので仕方がないかもしれない。中には携帯機だからこそ、どこでもちょっとした時間に楽しめるという人もいるわけで、必ずしもそれが駄目だという理由にはならないからだ。

その他に見られるのが、
「キャラが喋らないから面白くない」
という意見だ。『Ⅷ』やリメイク版の『Ⅳ』『Ⅴ』では、仲間キャラが喋っていた。今回の『Ⅸ』では仲間キャラが喋るという要素はないため、一緒に冒険しているという雰囲気が出ないという。これは今作では仲間キャラもプレイヤーが作るという点では仕方がない部分だろう。作ったキャラにはプレイヤーそれぞれの思い入れがあり、それが勝手に喋り始めたら逆に感情移入できないのではないか。確かに仲間キャラが喋らないのは寂しい気分でもあるわけで、この点もどちらがいいかは好みが関係してきそうだ。

さて、不思議な意見なのが、
「作業の繰り返しで面白くない」
という点だ。これについては反論意見も多数出ており、
「RPGなんてどれも作業の繰り返しでは?」
という声もある。考えてみればシリーズⅠ~Ⅷまででも、ドラクエはレベル上げを繰り返しながらイベントを進めるというスタイルで、今回の『Ⅸ』でもその点は全く変わっていない。主人公キャラを自由に作成できるだけではなく、『Ⅲ』のように仲間キャラも作る事が可能となっており、職業も自由に選択できて転職も好きにできる。レベルアップ時にもらえるスキルポイントを振る事で、好みのスキルを伸ばすという要素は『Ⅷ』のままだ。さらには本編とは直接関係ないクエストも多数用意されており、自由度という面ではシリーズでもかなり高い方である。では、なぜ「作業の繰り返し」のように感じるのか?ここは結局「いかに作業をしているように感じさせないか」という作りの問題にあるように見える。

この他にも色々な欠点は挙げられており、万人が楽しめるゲームとは言えないかもしれないが、少なくとも必要以上に叩かれているほど面白くないというわけではない事は、盛り上がるところでは盛り上げっている事からもわかる。もっともどんなゲームでも、その人にとっての思い入れや好み・価値観はあるので、一概のどれが正しいという言い方は間違っているわけだが、やはり今回は携帯機での発売という事もあり、グラフィック面や容量面から先入観で判断している人も少なくないのでは?
(TechinsightJapan編集部 林 裕之)