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【ドラマの女王】 『相棒』にミッチー起用の「無謀」。

2009年3月9日 9:00

今回の【ドラマの女王】は、緊急企画!『相棒 Season7』(テレビ朝日系)。亀山薫役の寺脇康文が抜けた後も水谷豊演じる杉下右京の推理が冴える人気ドラマ『相棒』。 “新相棒”が不在のまま終盤を迎えると思いきや、とうとう新しい相棒の存在が浮上してきた。某携帯電話CM出演中のキザ男、ミッチーこと及川光博の出現に『相棒』ファンのお父さんたちはついてこれるか。




いつも優雅にティーカップを手に(実際はよくこぼす)紅茶を飲み、落ち着いた大人の雰囲気でシャーロック・ホームズ風な推理をかます杉下右京(水谷豊)と、体育会系の亀山薫(寺脇康文)、実際どうかは別としてドラマの中ではしっとりと女性らしい益戸育江の小料理屋のおかみたまき、映画版「相棒」のスピンオフ企画映画「鑑識・米沢守の事件簿」(28日公開)に主演の六角精児や、今後も出演が決まってる陣川公平の「助さん」 原田龍二など、“男性びいき”の出演者が多いドラマだ。

この、お父さんたちが大好きな『相棒』の世界に、「ちびまる子ちゃんの花輪君」みたいなミッチーはどう考えても“しっくり”こない。
つい10年くらい前まで、「ヘエ~イ、王子だよ。」とバラの花束を抱えていた及川光博ももう、39歳。本人はいたってマジメな性格で、俳優としての活躍もだいぶ定着しているのだが、いかんせん男性からの支持が低い。

成城学園中・高、成城大学法学部卒のいわゆる“いいトコン子”でキザなミュージシャン、アメリカのロック・スター「プリンス」を下敷きとした“王子スタイル”の印象が強すぎて、いまだにミッチーを「いけ好かないやつ」と思っている男性は多いのではないか。

ある事件で殺された親友への思いに接し、その親友が活動していた東南アジアの国に警察官を辞めて妻とともに旅立った亀山薫。
彼が抜けた後も、冴えた推理で事件を解決していく右京は見ごたえ十分だ。第16話「髪を切られた女」の回などは、老境に差しかかった天才映画監督(秋野大作)をめぐって、さまざまな取り巻きたちの思いが交差する事件をしみじみ、そしてスリリングに解決してみせた。

『相棒』は、気取っているようで決して難しくなく、『名探偵コナン』(日本テレビ系)程度の推理と、犯人たちの「殺す動機」もわりと単純だったりもするのだが、水谷の深い人間味と、その他出演者の絶妙なやりとりがドラマに広がりを見せ、大人も満足の人気番組に成長した。イメージを定着させすぎない為に寺脇を一旦はずし、新風をいれる努力も怠らず、テレ朝は頑張っている。

であるから、お父さんたちの期待も大きい。
お父さんたちは亀山の後にどんな“新相棒”が登場するか楽しみであったに違いない。
そして登場したのが、上戸彩にメールをくれとせがむ“キザなミッチー”なのである。男性路線の『相棒』に都会的な刑事(デカ)って、みんなガックリだろう。

『相棒』がお父さんたちの期待を裏切ったのは2度目である。
30年くらい前は、「熱中時代 刑事編」など本来、寺脇の亀山刑事的な熱いキャラクターが得意だった水谷豊。外人女優との結婚・離婚、伊藤蘭との再婚などで私生活がバタバタし、イマイチ俳優としていちばんいい時期を逃した感のある彼が、「久々に刑事モノの連続ドラマに帰ってきた。」と、お父さんたちは期待をもって『相棒』を見た。

しかし、そこにはかつての熱血な水谷は存在せず、いつのまにかお茶なぞすすり“すっかり枯れ爺”になった彼がいた。お父さんたちは少々ガッガリしたに違いない。しかし、『相棒』がここまで人気番組になった影には、ガッカリしたお父さんの横でガツガツしない男の魅力に気づいた女性視聴者や、推理好きな子どもたちがいた。いつのまにか『相棒』は家族みんなで楽しめる刑事ドラマに成長していった。

だから、今回も及川光博の「都会刑事」に最初にハマるのは間違いなく女性たちであろう。そこがミッチー投入の狙いである事も確かだし、所詮「男は女の後に“ついていくる”」という現代の”家庭事情”もよく読んでいる。

(編集部:クリスタルたまき)

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