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いったい誰が見たいのか。厚生労働省がYouTubeに専用チャンネルを開設した。
今月12日に専用チャンネルは開設された。現在、トップページには舛添要一厚生労働大臣による挨拶の動画が載せられている。
動画で舛添大臣は、「厚生労働行政はゆりかごから墓場まで、もっと言えば生まれる前から死語まで、全ての人生にかかわる役所」、「臨場感ある行政の動きを国民の皆さんに伝えたい。また、動画を見るとともに、厚生労働省の取り組みへの意見、批判などを寄せてほしい」と、チャンネル開設の意義を話している。
現在のところ、厚労省の専用チャンネルには他に「輸入食品の安全確保を目指して~検疫所の仕事~」と題した、まるで学校の教材のような動画が1本アップされているだけだ。率直に言って、わざわざネットを開いて見たいと思える魅力的な内容ではない。また、前述の舛添大臣の挨拶動画も、3分半の間延々と話が続いており、退屈な印象だ。
厚生労働省は「多くの閲覧者が存在するYouTubeで動画配信を行うことにより、厚生労働省の施策に関する国民の皆様の理解を深めたい」としているが、多いのはYouTube全体の閲覧者数であって、そこに動画を置けば多くの人が見るだろうというのは実に安易な発想だ。
実は、省庁によるYouTubeへの専門チャンネル開設は、厚生労働省だけにとどまらない。文部科学省、防衛省、農林水産省など実に多くの省庁が専用チャンネルを持っている。
多くの省庁では、大臣による会見を配信しているほか、法務省では3ヵ月後に開始される裁判員制度について、人気芸人・ナイツによる解説などの動画が配信されている。
中でも目を引くのは、文部科学省だ。先日ノーベル賞を受賞した益川敏英教授や宇宙飛行士の山崎直子さんのインタビューなど、ここでしか見られないコンテンツが充実している。
さらには北京オリンピックで活躍した選手や女優・小泉今日子さんのメッセージなども公開している。これは、文化芸能や科学技術、スポーツなどの分野に関係する文部科学省だからこそできる内容と言える。
しかし、その点を考慮しても、その他の省庁には魅力的なコンテンツに欠けている。本格的な広報媒体としての活用を考えるならば、「若者に人気のYouTubeにアップしたからみんな見てくれるだろう」という安易な発想は捨てるべきだ。
(編集部 鈴木亮介)
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【参照】
・YouTube厚生労働省専用チャンネル