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老舗はココだった!お絵かきSNS「Chixi.jp」と塗り絵アバターサイト「ちーずシティー」

2009年2月8日 13:00

 現在、WEB上でイラストを投稿・公開できるSNSといえば、「pixiv(ピクシブ)」が有名だが、実はそれ以前から運営されている老舗お絵かきSNSがあるというのをご存知だろうか。

 その名も「Chixi.jp(ちぃ)」。お絵かきSNSとして2007年7月にスタートした「Chixi.jp(ちぃ)」は、予想以上に登録希望者が殺到したためサーバーが対応しきれず、サーバーのリニューアルを終えて再開したときには「pixiv(ピクシブ)」のオープンにより水をあけられてしまったという、なんとも切ない過去を持つSNSだ。

「Chixi.jp(ちぃ)」の管理者HAMUCHI氏の、イラストを描くことが好きというのが高じ「イラストを公開できるサイトがあればいいのに」という気持ちから「Chixi.jp(ちぃ)」を立ち上げることにしたというだけあって、SNSのメニューも、絵を描いて公開するだけでなく、共有して楽しむ・反応を見る・反応を返すといった、絵をきっかけに新たなステージへと輪が繋がるメニューが用意されている。「Chixi.jp(ちぃ)」独自のメニューとして面白いのが「マイファン」や「ファンクラブ」「お題」といった機能。「マイファン」や「ファンクラブ」機能では、SNS内の気に入った絵師さんのファンとして登録したり、自身のファンになってくれているユーザーを確認したり、ファンクラブ限定のイラストを公開できる。他のSNS同様フレンド機能も実装されているので、フレンドとファンを分けて考えたい人にはお勧めだ。「お題」は現在メニューのみだが、絵を描く人だけでなく、見る人・楽しみたい人・ライターなども「Chixi.jp」に参加できるように考えられたメニューで、「イメージを絵にして欲しい」「こんな文章が出来たけど絵が描けない」「自分のイメージを表現してくれる絵師さんを探したい」といった人にはうってつけだ。また、それ以外にもSNS内でのコミュニケーションをSNSの外へと誘導する、スカイプやyahooメッセンジャーへボタン一つで接続できる機能なども実装済み。

 昨年には、Ruby on Rails2008への応募作品として、塗り絵アバターで遊べるサイト「ちーずシティー」もオープンした。

「Chixi.jp(ちぃ)」のIDでログインできる「ちーずシティー」では、自分のイメージキャラクターとして、あらかじめ用意されたシルエットを選んでアバターを登録することができる。ここでは、イラスト公開はWEB上で描いたもののみを対象とし、しぃペインターを設置するだけでファイルアップロード機能は設けていないというこだわりも。既存の構築エンジンを用いた「Chixi.jp(ちぃ)」とは異なり、HAMUCHI氏がPHPで作成したという「ちーずシティー」では、新しい機能や面白い機能をどんどん試してみたいと意欲的で、最近では登録ユーザー同士でつくる「パラパラ漫画」や、お気に入りのイラストをカレンダーに出来る「カレンダー作成」機能というものも実装された。

インターフェース面ではまだまだ改善余地がある「ちーずシティー」だが、PHPという新しい分野に手を拡げた氏の遊び心はとどまるところを知らないようだ。カレンダー作成機能は、お気に入りの絵師さんのイラストをその月のカレンダーとしてpdfファイル作成できるもので、印刷も出来、デジタルデータとして保存しておくことも可能。HAMUCHI氏に伺ったところ、イラストを描いた本人がこのサービスを使ってイラストカレンダーを作成し、自身が運営するサイトなどで配布するのもOKなのだとか。ちなみに、「ちーずシティー」で臨んだ今回のコンペは残念な結果に終わったそうだが、HAMUCHI氏は過去にガジェットをテーマにしたEngineer Awardで審査員特別賞 敢闘賞を受賞している。

 どちらかというと、個人を軸に人が集まり新たな展開の可能性を拡げるイメージの「Chixi.jp(ちぃ)」と、登録ユーザー同士で協力して遊びを模索するイメージがある「ちーずシティー」。いずれのサイトも絵を描く人だけでなく、様々な人にサポーターとして参加してもらうことによって、さらにSNSとしての盛り上がりを狙っている。 具体的には、今後は文章を書くことが好きな人が投稿できるようなシステムや、文章を書く人・絵を描く人・サポーターがコラボして作品を完成させたり、SNS内でコンペを実施できるなどの準備も進行中という。そのうち、「Chixi.jp(ちぃ)」「ちーずシティー」の中で一冊の本や同人誌・動画・ゲームが完成したり、ヴァーチャルコミケが開催されることもあるかもしれない。

 WEBエンジニアとして仕事をする傍ら、個人で非営利を目的としてサイトを運営しているHAMUCHI氏。仕事柄、帰宅が深夜に及ぶことも多いそうだが、そこから更新や修正作業を行い、月々にかかる運営費用も全て自己負担しているという。自身も「Chixi.jp(ちぃ)」に投稿したり、外部でとあるアニメのファンサイトを運営しているほどのお絵かき好きで、過去には吉里吉里 (きりきり/フリー・オープンソースのソフトウェアで、Kirikiri Adventure Gameのスクリプトを使ってアドベンチャーゲームやノベルゲームを作成することが可能)で自作ゲームを作ってコミケに参加したこともあるのだとか(本人曰く黒歴史とのこと)。また、1月31日に発売される「OpenPNE(SNS構築のためのオープンソース)オフィシャルガイドブック」では、「Chixi.jp(ちぃ)」の構築の実績をもとにHAMUCHI氏自ら運営者Tipsとして導入~運営後の体験談を執筆している。「Chixi.jp(ちぃ)」や「pixiv(ピクシブ)」・既存のSNSに対抗したい、「Chixi.jp(ちぃ)」のようなSNSがどうやってできるのか知りたい、という皆さんは手にとってみてはいかがだろう。

 「Chixi.jp(ちぃ)」内にあるHAMUCHI氏のブログでは、“無名のWebサービスが1年で30万人の会員獲得に成功した秘訣”と題した記事の中で「Chixi.jp(ちぃ)」が「pixiv(ピクシブ)」に負けた要因を個人的見解(通称:負け惜しみ)として綴っており、最後には「(「Chixi.jp(ちぃ)」について)一人で好き勝手カスタマイズできちゃう個人運営はユーザーが振り回される結果に。」と自虐的なつっこみも。しかし、個人運営だからこそ「Chixi.jp(ちぃ)」や「ちーずシティー」には、今後どんな展開がされていくのか、機能が付加されていくのかという楽しさと期待感がある。記者の感想としては、「pixiv(ピクシブ)」はシンプルなメニューで、どちらかというと自分が描いたイラストを公開することに特化しているため簡単に使いこなせる感はあるのだが、公開した後に物足りなさを感じる。どちらかといえば、とにかくイラストを公開したいという人向けだろう。「Chixi.jp(ちぃ)」は、メニューの多さから全ての機能を使いこなすのに多少時間と勘を要するが、公開後の拡がりや展開にかなり期待感が持てる。イラスト公開後のほかのユーザーの反応や、絵を描くことをきっかけにしてなんらかのアクションを展開したい人向けだろう。50万を超えるユーザーを有している「pixiv(ピクシブ)」と明暗を分けた、ユーザー数4,700のお絵かきSNS「Chixi.jp(ちぃ)」が、「ちーずシティー」という新たなサイトと連動してどこまでユーザーの支持を得られるか。絵を描くのが好きというユーザーには、是非一度「Chixi.jp(ちぃ)」と「pixiv(ピクシブ)」を使い較べて、その違いを実感して欲しい。
(編集部:北島要子)

【参照】
「Chixi.jp(ちぃ)」
「ちーずシティー」

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