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まるでテトリス。緊急雇用対策になぜ?「介護」。

2009年1月17日 16:00

派遣切りなどによる失業者の受け皿として、厚生労働省は16日、ハローワークに介護職専門の職業相談コーナーを設け、新たに約2万6000人を介護従事者として養成する方針を発表した。不景気で仕事が無ければ、人手が足りない「介護」や「農業」を持ち出してくるあたり、足りない空間に四角を埋める「テトリス」のような対策は、本当に現状打破の光となるのだろうか。




不景気で仕事が無い→「常に人手が足りない介護をどうぞ。」という発想が貧困だ。晩年認知症であったこの実母の介護体験記を公表している舛添 要一(ますぞえ よういち)厚生労働大臣が、はりきって進めているこの対策。介護福祉士などの資格取得に向けた職業訓練期間中の雇用保険給付をなど、その道を目指す人には有用な制度だ。

しかし、この制度を受けて晴れて資格を取得した所で、実際「介護」を定職にしたら年収いくら稼げるのだろうか。「介護職」は労働や拘束時間の割には低賃金だ。

「介護」と同時に推奨している「後継者のいない農業」への斡旋も問題だ。空き農地にかかる税金や、生産制限、穀物飼料の高騰のなど解決出来てない問題を後回しにしている。
「介護」にしろ、「農業」にしろ、なりたい人が少ないのでは無く、なっても食べていけないから「働き手」がいないのである。

実際、毎年何万人もの若者が介護福祉の専門学校や大学を卒業し就職しているが、給与や労働の待遇に納得いかず多くが辞めていく。ほとんどの職場で人手不足なのは、なり手がいないからでは無く「定着率」が悪いからだ。
雇う施設側も、利益を出す為にはギリギリの人員でまかなうしかない。

そんな中で、介護に希望を持って就職した若者達は、毎日続く長時間労働と低賃金に加え、「移動時間は時給に換算されない」など理不尽なシステム、行き届かない介護保険や、お年寄りを施設に預けっぱなしで面会にも来ない家族など、挙げればきりの無いやりきれない現実をまのあたりにし、次々と職場を去っている。

ここに、「新たに働き手」を大量に養成し、投入するのは危険な事だ。
辞めても辞めても「介護師のおかわり」がたくさんいる状態になる。そのような状況が、「コムスン」のような実態の無い営業を生むのだ。四角いマスを埋めてはどんどん循環させる“テトリス”のようにうまくいけば気持ちはいいが、雇用はそんな簡単なものではない。

いざという時に使える「介護の知識」を持った人が、世の中に増えることは大変“心強い”事だ。しかしそれが、条件の悪い仕事を「誰かにやらせる為」のシステムになっては困る。
「雇用対策」と「介護」を結びつけるより前に、もっとやるべき事があるのでは無いか。

(編集部:クリスタルたまき)

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