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【ドラマの女王】 OLが共感できない 『OLにっぽん』

2008年12月2日 12:30

「観月ありさドラマ主演作20本」のふれこみで始まった『OLにっぽん』。スリリングなチャイナ・ビジネスや時代をリードした会社モノを期待するも、蓋を空けてみたら北京オリンピックに乗り遅れたどころか、ものすごーく時代遅れなドラマになってしまった。OL達にはそっぽを向かれ、視聴率が振るわなくても、この手のドラマが大好きな人達がいますそれは・・・・・

「OLは無駄な事ばかりしてるけど、無駄なOLなど一人もいない!」ってOL島子のセリフ。このドラマ大丈夫なのだろうか。

今や働く日本人3人に1人が非正規雇用者で、働く女性の半分は派遣かパートかアルバイト。ほとんどの若い女性が企業に就職できないこの時代に、ボーナスも交通費も出る正社員のOLである主役の神埼島子(観月)や、苦境にあえぐ総務課の面々に共感できる人がまず少ない。
むしろフリーターや派遣OL達は、頑張り屋の中国娘二人(タン・ジャンスー、ローラ・チャン)の方が輝いて見えるのではないか。

上司に仕事を押し付けられ、安い給料に文句も言えず、「オヤジ達を定年まで雇うために」派遣に余儀なくされている現役OL達は、いちいちオヤジ好みの行動に走り、常に優等生な主人公の神崎島子にイライラさせられる。

このドラマのテーマである「仕事で人は磨かれる!」とか「会社が自分の居場所をつくる」などというセリフは、定年を迎えた団塊オヤジ達の為にある。PCも携帯も無い時代からコツコツと働いて会社を支え、深夜のオフィスで仲間と缶ビールを飲み愚痴を言い、交際費を使うだけ使って仕事をサボってても定年まで給料がもらえた、古き良き時代の会社人間たち。『OLにっぽん』はOLの為のドラマでは無く、彼ら定年おじさん達の為の妄想ドラマかもしれない。

「ハケンの品格」が好演だった篠原涼子が主演するよりも、30歳を過ぎてもまだ独身をつらぬく永遠のアイドル観月ありさの方が、ドラマの視聴率を引っ張るおじさん、おばさん達からのウケがいい。「ありさも大人になったねえ~」などという声が、お茶の間から聞こえてきそうだ。今回、観月である意味正解だったのかもしれない。

モロ師岡、東幹久、阿部サダヲ ら、渋い男性キャストがクセがあり面白い。フービン、美波の男女きれいどころ、若いOL達、さわやかな中国娘もドラマに花を添える。

だが、いかんせんストーリーの軸がぶれすぎている。今、日本の全労働者の敵は、海外のアウトソーシングや一企業の人事課などでは無く、利潤の追求の為に弱者を切り捨て、一度落ちたら這い上がれない社会システム。それこそ敵なのだ。この怖さに気づかず、のんきに目の前の困難にだけ振り回されているドラマの登場人物たちの危機感の無さが、社会の底辺で必死にあえいでいるTVの向こうの視聴者達の親近感を勝ち取ることができるだろうか。

日本テレビ 『OLにっぽん』

(編集部:クリスタルたまき)

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