Twitter VS Wassr、最終回となる第4回は、ポストTwitterまたはポストSNSとしてのWassrについて紹介する。Twitterが日本でブームになったのは2007年頃からであるが、今年に入ってからはTwitterとWassrへのクロスポスト(二重で投稿)を続けているか、あるいはWassrに乗り換えしたというユーザーが多い。また、ミニブログをやるようになってからmixiへの書き込みが減ったというユーザーも多い。
これは単にブームの変遷というだけではなく、ネットにおける関係性あるいは立ち位置といったものが、人によって様々であるとともに、いにしえのパソコン通信の時代から同じような変遷を遂げていることが指摘されよう。
「太陽の下に新しいものなし」という格言は、新技術を否定するものではなく、どのような新しい技術もそれが人間の営みを反映するものであれば、かつて存在したものにその原型があるという意味である。
90年代前半にブームであったパソコン通信は、ホスト中心型のサービスであったが、現在、インターネットで使われているサービスのほとんどの原型がそこにあった。ここで視点を人間関係に移してその変遷を見れば、特定のテーマを基にしたフォーラム参加→発言するのがシンドくなる→仲間内だけで気楽なパティオ(NIFTYに存在した雑談中心の集まり)→インターネットの普及とともに離散→個人ホームページに設置した掲示板に集まる→個人サイトの運営が面倒になって閉鎖→SNSに集まる。ここまでがネットにおける集合と離散そして再集合の歴史である。
現在、日本におけるSNSの代表格であるmixiのユーザーで、おおむね40歳代以上のユーザーの多くは、かつてのパソコン通信大手NIFTYやAOLでの人間関係+個人ホームページでの人間関係+リアルの人間関係をmixiに持ち込んでいる
この歴史を回顧すれば、自ずとその後の展開は見えてくる。現在のネットユーザーの活動は、言論系はブログ、仲間内の交流はmixi、匿名議論は2ちゃんねる等になるが、どれも負荷(プレッシャー)のかかる営みであり、長く続ければ疲れて来る。
そうした時に救いになるのがミニブログである。まずはTwitterに集まったわけだが、Twitterは人間関係のあり方としては緩すぎるところがあり、もう少し親密で、かつmixiほど濃密にならない関係が欲しい。そうしたときに、ポストTwitter及びポストmixiとなるのが、Wassrである。
Wassrは、mixiのコミュニティによく似た「チャンネル」があり、書ける文字数も250文字(Twitterは150文字)と多めになっていて、少々込み入った話もできるようになっている。発言にレスすることもできるが、レスするまでもない発言には「イイネ」マークを付けられる。mixiでの発言のように、読み捨てされるのも寂しいけど、多数のレスにいちいち返事をするのも面倒というジレンマがない。
良いことづくしのようであるが、改良の余地はまだまだある。Wassr機能要望でも上がっているが、「イイネ」マークだけではなく「ドンマイ」マークや「ガンバ」マークも欲しい。いちいち文字でレスしなくても、気軽にマークだけで友人をフォローできる。また、女子ブログに特有の「おしゃべり体」(行間を広く取り、とりとめのないことを一度に書く)にも、なんらかの形で対応してほしい。
また、lastfmのような音楽スクロブもあれば楽しいが、あまり機能が増えすぎても、ユーザーは負担を感じてしまうので、ほどほどの機能が良いのであろう。
SNSに集合したネットユーザーは、今後はゆるやかにミニブログに移行していくのではないかと予想される。もちろんmixiやMyspaceが急に廃れることはないだろうが、SNSでの人間関係に疲れたユーザーの新たな居場所として、実に居心地がよいのである。
筆者も多くのワサ友(Wassrで「購読」しているユーザー)ができた。特に意気投合したワサ友さんには、mixiでの交誼もお願いしたが、それ以外はWassrだけでの緩く気楽で楽しい付き合いをしていきたいと思っている。
(完)
【テック巌流島】バックナンバー
ポストmixiはどっち?<Twitter VS Wassr>Vo.1
ポストmixiはどっち?<Twitter VS Wassr>Vo.2
ポストmixiはどっち?<Twitter VS Wassr>Vo.3