TBS土曜8時枠ではじまったドラマ「ROOKIES」。
かつては「8時だョ!全員集合」があったこの黄金枠を、ドラマで復活させようという試みである。
コンセプトは『家族みんなで見られる、語れる、考えられる、視聴者が参加できるそんなドラマを』。
佐藤隆太演じる熱血教師・川藤と、生きていくために必要な希望を見失いつつも、野球をあきらめきれない生徒たちの熱いドラマがスタートした。
森田まさのり原作「ROOKIES」は1998年から2003年まで、週刊少年ジャンプで連載された。
全24巻、合計1200万部を売り上げた人気コミックだ。
主人公・川藤幸一(佐藤隆太)は、以前勤めていた高校で暴力事件を起こした過去を持つ国語教師。
新しく赴任した『二子玉川学園高校』(通称ニコガク)では、問題児ばかりが集まる野球部の顧問となる。
かつては甲子園出場まで果たしたニコガク野球部だったが、不良の溜まり場に成り果てていた…。
主人公・川藤幸一を演じる佐藤隆太は原作マンガの大ファンであり、川藤役が決まったとき、涙を流して喜んだという。
佐藤隆太の役にかける意気込みは相当なものだ。全身から演じる喜びがあふれている。佐藤自身の熱さがそのまま主人公の熱さにつながっていて、見ていて清々しい気持ちになる。
生徒たちに投げかける川藤の言葉はストレートで、濁りがない。情に訴えかけるようなくさいセリフが並ぶのかと思っていたら、大きな間違いだ。
「夢は不満から生まれる。満ち足りた人間は、夢をみない」
H.モンテルランの言葉で、川藤は生徒たちに語りかける。
「夢にときめけ!明日にきらめけ!」
言葉に力があるのではなく、それを発する人間に力がある。だからこそ、相手に言葉が届く。
野球が好きだから学校を退学したいと本心を打ち明ける野球部員・御子柴徹に、小出恵介。佐藤演じる川藤と河原で語り合うシーンは出色の出来だ。
市原隼人、中尾明慶、高岡蒼甫と実力のある若手俳優がそろっているだけに見応えがある。通常の1クール放送ではなく、7月以降も続く可能性があることを言われているだけに、野球部員それぞれの魅力がクローズアップされていくことを期待したい。
井伏鱒二の『山椒魚』を引用したシークエンス、
階段のすみに咲くたんぽぽ、バケツに落ちる水滴、暗い部室に差しこむ明るい光。
細部にまでこだわった積み重ねがリアリティを作り上げるのだとしたら、このドラマは現時点ですでに高い完成度を備えている。
最終回までこのテンションを保ち続ける作品であれば、黄金の8時を取り戻すことは容易なことかもしれない。
(編集部 松本直樹)
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