今回の訴訟では「今回の訴訟では製造業者に過失があったかどうか」「安全性よりも利益が優先されていたのではないか」が争点となった。
タイリーさんの両親であるネキア・ドッドさん(Nekia Dodd)とヤーネル・サンプソンさん(Yarnell Sampson)は、すでにアイコン・パークとフリーフォールの所有者である「イーグル・ドロップ・スリングショット(Eagle Drop Slingshot)」とは非公開の金額で和解していた。
今回の裁判で、陪審員は「損害賠償は、タイリーさんの怪我と死亡による身体的・精神的苦痛に対するものだ」と述べ、ファンタイムに総額465億円超という巨額の支払いを命じた。裁判ではファンタイムの代表者が出廷せず、判決を受けて一家の弁護士は「同様の事故を防ぐために業界全体への警鐘となることを願う」と語った。
なお、問題のフリーフォールは事故後使用されることなく、2023年3月に解体され、同年5月にフロリダ州知事ロン・デサンティス氏(Ron DeSantis)は「タイリー・サンプソン法(Tyre Sampson Act)」に署名した。これは州内のテーマパークの安全基準を強化するもので、高さ30メートルを超える乗り物に安全バー(ハーネス)とシートベルトの着用が義務付けられた。
今回のニュースには、以下のような意見が寄せられた。
「製造業者が明確に体重制限を設けているのに、それを超えている者を乗せたのだから、これはスタッフの責任だろう。」
「彼は、安全バーがしっかりはまらなかった時点で降りるべきだった。」
「全ての乗り物が、全ての人に対応しているわけではない。クレイジーだよ。」
「低賃金での雇用が問題の背景にあるのではないか。」
「なぜ誰も彼を止めなかったのだろう。」
「彼はフリーフォールに乗りたくて、4度並んだそうだ。そして3度は拒否されたものの、4度目に乗車が可能になったと聞いた。つまり乗車不可ということを分かっていた。そしてスタッフがしっかりチェックせず事故が起きた。」
「別の乗り物でも、彼は拒否されていたそうだ。」
「こういった乗り物のスタッフは通常10代の子だよ。遺族がこれだけの損害賠償金を受け取ることはないだろうね。この半分だって多すぎる。確かに悲劇だけど、これは行き過ぎた判決だよ。」
「世界一高いフリーフォールを作っておいて、シートベルトなしだったのだから、製造業者の責任でもあるだろう。」
「この金額は高すぎるのではないか。控訴すれば確実に減額されるだろうね。」
「どれだけお金をもらっても、彼が戻って来ることはないからね。両親の心の痛みも分かるよ。」
画像は『Florida Today 「Tyre Sampson lawsuit: Family awarded $310 million in 2022 Florida free-fall attraction death」(ICON Park Orland)(Provided By Hilliard Law)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)