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VOCALOIDが「しゃべり」に対応 ヤマハの歌声合成ソフト「VOCALOID-flex」

初音ミクなどに搭載されている歌声合成エンジンは、歌を歌うことに特化されてきたため、セリフをしゃべるのが極端に苦手で、ミクユーザーは、セリフを入れたいときには別の音声合成ソフトを使っていたのが現状だった。
しかし、今回、ヤマハがリリースした「VOCALOID-flex(ヴォーカロイド フレックス)」は、従来のVOCALOIDの歌唱合成機能だけでなく、今後はさらに表現豊かな「しゃべり」を付加して実現することが可能となる。

今回開発されたVOCALOID-flexは、歌声に比べ音の微細な変化が要求される「しゃべり」を実現するために、従来のVOCALOIDでは実現できなかった、音韻(音素などの音の構成や長さ)や韻律(音の高さ、強さ)の細かな編集を可能にした歌声および発話の合成エンジンソフトウェアである。

具体的には、これまで出来なかった母音の無声化(母音を無声音として発音するケース(例:北[ki ta]の[i]))や脱落化(母音を発音しないケース(例:~である[de su]の[u])が表現可能となり、子音の長さならびに音の高さや強さも細かく編集することが出来るようになった。
その結果、より人間に近い発話が出来るようになり、話し声における細かいニュアンスや、表情豊かな方言等のアクセントやイントネーションもつけることが可能となった。

なお、VOCALOID-flexで使用する音声ライブラリは新たに新しい音の素材を追加することなく、既存の歌声ライブラリの活用が可能となる。

このエンジンがミクなどに搭載されてくれば、オリジナルアニメの会話やYou Tubeなどへのニュースコメント投稿など、幅広い応用が可能になる。

提供はライセンス形態になるため、このエンジンを搭載した多くのソフトウェアが登場することが期待される。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)