最後は周囲一帯が住宅街として完成した光景が写っている。
ダイアンさんは、「昔は小さな赤レンガの家やコテージが点在する田園地域でした。今とは違ってどの家もユニークで、スペースもたくさんあったのです」と過去を振り返る。開発に伴い、ダイアンさんを含むこのエリアの家主に立ち退きの依頼があり、ほとんどの人は2012年に立ち退きに応じたという。当時、ダイアンさんの家の価格は475万オーストラリアドル(約4億3200万円)だったが、ダイアンさんだけは立ち退きを断った。開発側はダイアンさんの所有する土地を諦めることができず、何度かダイアンさんのもとを訪れ、過去には5000万オーストラリアドル(約45億4700万円)の高額なオファーも提示したが、それでもダイアンさんの意志は変わらなかった。
不動産業者であるテイラー・ブレディンさん(Taylor Bredin)は「ほとんどの人が何年も前に土地を売却したのに、ダイアンさんは本当によく耐え抜いたと思いますよ」と語っている。テイラーさんによると、ダイアンさんの土地には50軒の家を建てられるだけの広さがあり、1軒あたりの価値は100万オーストラリアドル(約9000万円)にもなると推定されている。これに加え、シドニーの中心地まで約40分というアクセスの良さが価格に影響しているようだ。
開発側からすれば厄介な住人として扱われてしまいそうが、ダイアンさんがオファーを断り続けていることに喜んでいる近隣住民も多いという。ダイアンさんの土地に隣接する家に住む人は「私の家は袋小路になっている場所にあるので、子ども達が安全に遊べますし、隣にあるダイアンさんの家の広い芝生のおかげで、私たちの家まで広く感じられるんです」と話している。
ちなみに昨年には米ワシントン州で、立ち退きを拒否し続けた結果、家の周りに巨大ショッピングモールが建ったケースが注目を集めていた。
This house in Australia has continually rejected offers for purchase, most recently a $50 million dollar offer, per 7News: pic.twitter.com/jCtxOMTCn6
— unusual_whales (@unusual_whales) May 7, 2023
画像は『New York Post 2023年5月10日付「Family turns down $50M from developer who built suburb around their home」(7 News)』『unusual_whales 2023年5月6日付Twitter「This house in Australia has continually rejected offers for purchase,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)