階段やキッチン、ヤカン、パンにまで落書きが広がっていく。そして最後に家を正面から見た外観が映し出されると、玄関ドアから柱、外壁、正面に飾られた植木の縁石や彫刻像にまで落書きが広がったところで動画は終わった。
サムさんは12部屋もある豪邸を落書きで埋め尽くすのに2年かかったそうで、サムさんにとってこれまでで一番時間をかけたプロジェクトとなった。黒一色のモノクロの作品ではあるが、仕上げるのに900リットルの白色のエマルション塗料、401缶の黒色のスプレー塗料、286本の絵具、そして4種類のサイズのマーカーペンと2296本のペン先を使用して完成させ、描いた落書きは色あせを防ぐためにラッカー仕上げが施された。
今回のプロジェクトを“The Doodle House(落書きハウス)”と名付けたサムさんは、「落書きハウスの完成は、地球全体に落書きをして芸術の世界に落書きがアートの一部であると認めてもらうという、私の子どもの頃からの夢の始まりに過ぎません。ついに自分の落書きハウスができて興奮しています」と喜びを明かした。
壮大なプロジェクトとなった今回の作品は、落書きから撮影までサムさん1人で成し遂げたという。2020年9月から今年9月にかけて撮影した1857枚の写真を使用し、ストップモーション・アニメーションとして編集した。「家は全て本物ですし、落書きは全て手描きでCGは使っていません」とサムさんはこだわりを明かした。
またサムさんは、落書きを始めた時は何を描くのか考えていなかったそうだが、出来上がってみるとベッドルームは夢、シャワールームは海、廊下はノアの箱舟、階段は天国と地獄などそれぞれ決まったテーマに沿って描かれている。
2年という長い時間をかけて完成させた作品に大満足のサムさんだが、外壁にも落書きを施したため興味を持った近所の子どもたちが頻繁にベルを鳴らしてサムさんの豪邸を訪れるので少し困っているという。今のところ近隣住民から景観を損なうなどの苦情はないが、実はサムさんにこの豪邸を売った夫婦は「絶対に落書きしないで」と事前に伝えていたそうだ。しかしサムさんはその願いを聞き入れることなく、自身の夢を叶えるため建物全体に落書きを施したという。
I doodled my house pic.twitter.com/hHhNvqKPqa
— Mr Doodle (@itsmrdoodle) October 2, 2022
画像は『Mr Doodle 2022年10月2日付Twitter「I doodled my house」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)