オリアナさんは入院先の病院で原因不明のまま帰らぬ人となった。
欧米では突然死や原因不明の死を遂げた場合、検死官がその死因を特定するために調査が行われる司法制度があり、このほどオリアナさんの死因を明らかにするための死因審問がサフォーク州イプスウィッチにあるサフォーク検死官裁判所(Suffolk Coroner’s Court)で行われた。
今年7月6日に行われた死因審問で、父親のトリスタンさん(Tristan)は生前のオリアナさんについてこのように語った。
「娘は『私のオフィスは空、雲の中にあるの』と話していました。そして自家用パイロット免許を取得した米アリゾナ州フェニックスで愛する人に出会い、民間パイロットの訓練を受けて自分の夢を叶えようとしていました。同じくパイロット訓練中である兄のオリバー(Oliver)や私と一緒に空を飛ぶのが大好きな娘でした。」
また母親のルイザさん(Louisa)は最愛の娘を偲び、女性パイロットを支援している非営利団体「British Women Pilots’ Association」と協力し、女性パイロットのための小さな奨学金基金を設立したことを明かした。
同州の上級検視官であるナイジェル・パーズリー氏(Nigel Parsley)は、オリアナさんの死因について蚊に額を刺されたことで致命的な感染症を患ったとして次のように述べた。
「オリアナさんは当時、航空会社『easyJet(イージージェット)』の飛行訓練のためベルギーに渡っていました。そこで蚊に額を刺され、7月7日に病院で抗生物質を処方されましたが、2日後に容態が悪化したためボーフレンドのジェームスさんに連れられて再び救急病院を訪れました。彼女の死因は虫刺されによる深刻な感染症でした。医学的には脳の敗血症性塞栓と記録されており、虫刺されから感染症が発生し、黄色ブドウ球菌というバクテリアが首の頸動脈に入り込んだことで脳の血管が詰まったことが明らかになりました。今までこのようなケースは見たことがありません。素晴らしいキャリアと人生を歩んできた若い女性にとって、この出来事は悲劇としか言いようがありません。」
なおこのニュースが報じられると、世間からはオリアナさんの早すぎる死を悼むコメントが寄せられた。
「本当に残念。感染症に限らず蚊が媒介する病気で人は命を落とすことがある。」
「明るい未来ある若者がこんなことになるなんて悲しいです。」
「ご家族とボーイフレンドが気の毒です。彼らに神のご加護がありますように。」
「なんて恐ろしい出来事なんだ。本人もご家族も無念だったでしょう。」
「これは誰にでも起こる可能性がある。だかが蚊に刺されただけなのに、こんな結末になるなんて残酷。」
「彼女はとても明るく勤勉だったに違いない。どうぞ安らかに。」
画像は『The Sun 2022年7月7日付「INFECTION NIGHTMARE Trainee easyJet pilot, 21, died after she was bitten by a mosquito on her forehead」(Credit: PA)』『The Mirror 2022年7月7日付「Trainee easyJet pilot, 21, died after mosquito bite on her forehead spreads to brain」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)