「すごいですね、触らせていただいて」と思わず松坂が割り込んだ。これに多部も笑いながら「(松坂は)本当に体重を減らして減らして臨んでいたので、ウエストがゾッとするくらい細くて、この日にいたるまでいろいろな思いでここに立たれているんだという気持ちも触りながら感じて『自分も頑張らなければ』と常に思わせてくれるお人柄と体型でした」と松坂の役作りを労った。
その一方で儚げな雰囲気を求められた広瀬すずは撮影前にそのスタイルが完成していたため、撮影中にはランチで炭水化物もしっかり摂るようにトレーナーから指示されていたという。そこで撮影中は息抜きも兼ねて「マネージャーさんとよく焼き肉に行ってました」と広瀬。松坂を一度監督との食事に誘ってしまったそうで「桃李さんは『僕は大丈夫です。明日まで我慢します…』とおっしゃってて、私たちもその日は監督と一緒にコンビニのご飯にしました…」と申し訳なさそうに回想した。
そんな松坂も撮影が終わり、いよいよ食事制限から解き放たれることに。李監督が「もう何でも食べて」と勧めたが、松坂は「胃に優しいものはありますか?」と聞いて雑炊を食べたという。「手が止まらなくて。美味しかったですね」と夢中で食べた松坂だったが、李監督は「あんなに雑炊を美味しそうに食べる人は初めて見たなあ。あの笑顔を見て罪悪感も消えていきました」と笑わせた。
更紗(広瀬すず)の婚約者・中瀬亮役の横浜流星が今までにない表情を見せ、新境地と呼び声の高い演技も話題の同作だが、最後に松坂は「いろんな理由だったり、人には言えないことだったり…抱えているものを持ちながら生きている登場人物しかいないです。そんな人たちの息づかいや生きている姿を見ていただくと何か皆さんに通ずるものがあるのではないか」とコメント。広瀬は「きっといろんな人に感じてもらえるものがたくさんある作品になったと思います。美しくて強くてたくましい2人を皆さんにぜひ見届けていただけたら」と期待を込めて呼びかけた。
舞台挨拶には安西梨花役の増田光桜(10)がサプライズ登場。広瀬と松坂に花束を渡したが、NHK朝のテレビ小説『なつぞら』では広瀬と親子役で共演していたため「2年ぶりに広瀬さんと会えてすっごく嬉しかった」と満面の笑みを見せていた。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)