車を飛び降りて駆け寄り、6人がかりで体重をかけて車を止めることができた。それからさらに人が集まり、ある男性が腕で車の窓ガラスを割ろうとしたが、簡単には割れなかった。別の人がダンベルを持ってきて他の男性に渡し、それを使って窓ガラスを割るとようやくブレーキをかけることに成功した。その後、数名がドアを開けてローリーさんの安否を確認し、車を手押しで近くにあったセブン-イレブンまで移動させる様子も映っていた。
現場には偶然にも看護師が居合わせており、緊急通報番号911に連絡して救急車が到着するまで手当を行った。救急隊が現場に到着した頃にローリーさんは意識を取り戻していたという。のちに娘のアラーナ・フレイさん(Alana Frey)は、救助の様子を撮影した動画を見て「『嘘でしょ?』といった感じで唖然としましたよ」と驚いたそうだ。アラーナさんはローリーさんが意識を失ってしまったのは、食事を摂らずに薬を飲んだことが原因ではないかと推測している。また「母を助けてくれた皆さん一人一人にとても感謝しています」と述べた。
また当時、ローリーさんの救助に加わった米陸軍二等軍曹フアン・チャベスさん(Juan Chavez)は「最初は誰かが変な運転をしているなと思っていました」と振り返っている。しかし最初にローリーさんの車に駆けつけた女性が「意識がないの!」と叫んでいるのを聞き、すぐに緊急事態であることに気付いたそうだ。「私の両親は『困っている人がいれば手を差し伸べ、誰にでも優しくしなさい』と教えてくれました」と話すフアンさんは「何かしなければ」と思い、すぐに行動に移したという。
この動画を見た人からは、「助けに入った人々には頭が上がらないよ」「見ず知らずの人々が助け合う姿は本当に素晴らしい」「人の心の温かさを感じるね」など絶賛の声が届いた。なおフアンさんをはじめ、助けに入った人々はその場に留まることなく去ったそうだが、のちに警察がそれぞれの人を特定し感謝状や記念品を贈呈した。
画像は『Boynton Beach Police Department 2022年5月11日付Facebook「Good Samaritans help driver suffering medical episode」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)