ジュリーさんはケビンさんの剥製コレクションをスタフォードシャーのビシュトンホール(Bishton Hall)で開催されたオークションに出品した。
ジュリーさんが把握していた57体と屋根裏から見つかった12体の剥製の中には、本物の歯があるライオンの頭やサバンナシマウマ、アフリカカモシカの一種であるハーテビーストなど珍しいものもあり、合計落札価格は11000ポンド以上になった。
特に人気が集まったのはエドワード朝時代のケースに収められたフルマウントフォックスで、落札価格は850ポンド(約13万円)だった。他にも20世紀のヒヒショルダーマウントが640ポンド(約10万円)、アフリカライオンの頭が541ポンド(約8万円)で落札された。
競売人であるチャールズ・ハンソン氏(Charles Hanson)によると、ケビンさんが集めた剥製の中には1860年代のものも存在しており、それはテレビやインターネットで自然界を知ることができなかった時代に教育的な目的で普及したものだそうだ。そして個人のコレクションとしては非常に珍しく素晴らしいものだという。
ジュリーさんは、このような評価を得たことに対し次のように述べている。
「ケビンは技術管理者として働いたのち、退職後にはオークションハウスでアルバイトをして30年以上かけて剥製を集めてきました。息子のジェームス(James)に手伝ってもらって屋根裏にこっそり隠していたことを思うと笑ってしまいますが、彼はこのコレクションをとても誇りに思っていました。なので私はケビンに敬意を表し、彼にとって本当に大切なものを共有したいと思ったのです。それが今回オークションに出品することにした理由のひとつで、今こそ手放すタイミングだと思ったのです。がんの一種であるサルコーマ(肉腫)により69歳でこの世を去ったケビンを偲び、オークションの収益の一部は慈善団体『Sarcoma UK』に寄付する予定です。」
画像は『WalesOnline 2022年3月1日付「Man’s secret taxidermy collection found by widow fetches £11,000 at auction」(Image: Hansons / SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)