1人は頭を抱えるようにして混乱している様子がうかがえる。
この現場の近くにはガソリンスタンドがあり、そのスタッフのフェルミン・ブラセロさん(Fermin Bracero)が誘拐の瞬間を目撃していた。
フェルミンさんは「男が突然、女の子を抱き上げて走り去ったのです。冗談かと思いましたね。それから女の子の祖母が『彼が子どもをさらったの!』と言うのですぐに追いかけました。多くの人がその男を捕えようとしてくれたので、男はそう遠くまでは行きませんでした」と当時を振り返り、「まるで映画のようでしたが、現実の話です。クレイジーでしたよ」と驚いている。
フェルミンさんが近づくと男はすぐに女児を手放し、近くに置いていたスクーターに乗ってその場を去ったという。フェルミンさんは男を追いかけたそうだが行方が分からなくなり、警察が捜査に乗り出した。
警察はこの男をサンティアゴ・サルチェード(Santiago Salcedo、27)と特定し、容疑者として捜査を進めた。サンティアゴは逃走中、スクーターを乗り捨てて歩いて移動していた。そして同日夜、誘拐現場から1マイル(約1.6キロ)ほど離れた場所にあるレストラン「Tosca Rooftop Garden Bar」の入り口で眠っているところを発見され逮捕に至った。
サンティアゴはホームレスと報じられており、ブロンクス警察署から手錠を掛けられて出てきた際には笑顔を見せていた。
精神鑑定などが行われたかどうかは明らかになっていないが、誘拐された女児の母親は「彼は精神的に良くない状態だったのです。刑務所へ入って欲しくはありません。彼に手を差し伸べてあげて欲しいです」と明かしており、サンティアゴの精神状態を気にかけていた。
画像は『NBC New York 2021年10月12日付「Security Video Shows Attempted Child Abduction on Bronx Sidewalk」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)