そんなことはお構いなしに手で軽く払い除けると、スプレーを使って車内のミツバチを追い払う作業を黙々と続けていた。
救急隊などに依頼することなく無事に車を取り戻すことができたリズワンさんは、「彼は命の恩人だよ」と老人に感謝を述べ「これからは、車の窓はしっかりと閉めておくつもりだよ」と語っている。
日本養蜂協会によると、ミツバチは女王バチを中心に働きバチなどの個体数が増えてくると新しい女王バチが誕生することがあるという。こうした場合、新しい女王バチは半数程度の働きバチと共に巣を去り、新しく巣を作る分蜂という行動をとる。
その際、すぐにエサとなる花が多くある適当な場所が見つかれば良いのだが、見つからなかった場合には人目につきやすい公園の木々や建物の壁などに一時的に群れの状態で留まることが確認されている。おそらく今回も分蜂の途中だったミツバチたちが、リズワンさんの愛車を気に入って身を寄せていたのだろう。
このニュースには「絶対女王バチがいるよね」「たった10分でこんなことになるの!?」「私だったら車ごと捨てたくなる」など驚きや恐怖のコメントが届いている。
目に見える場所に巣を作るのはまだいいが、小さなミツバチは時に意外な場所に入り込んで巣を作ってしまうことがある。8月にはアメリカで、引っ越した家の壁の中から45万匹のミツバチが発見されたこともあった。
なお日本養蜂協会は、ミツバチはこちらから刺激したりしなければ襲ってくることは無いので、近くでミツバチの分蜂を見かけた場合には都道府県の畜産担当部署に連絡して欲しいとウェブサイトで明かしている。
画像は『9News 2021年9月24日付「Sydney man returns from shop to find swarm of bees have taken over his car」(9News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)