エンタがビタミン

writer : sekihara

【エンタがビタミン♪】<THE ALFEEインタビュー>「3人元気でいれば何とかなる!」 70枚目のシングルは“らしさ”全開で

―あとはコーラスが入るとかなりアルフィーらしくなりますね。
高見沢:そうですね。3人のコーラスというのが僕らの特徴ですからね。三声のコーラスというのは、もはやお家芸ですね。
坂崎:伝統芸だね。
高見沢:伝統芸(笑)。なんでもコーラスが入りますからね、要らないところを間引くのが大変ですよ。

―坂崎さんのアコースティックギターも印象的ですね。
坂崎:高見沢のリクエストで「ここにこういうギターを入れて」っていうのがあったので、要求にしっかり応えるように。歌前(イントロ最後)の4小節間はオープンDチューニングにして。
高見沢:あれが重要なんですよ。変拍子の後に出てくる。普通そう使わないよな?
坂崎:普通はあそこには出てこないね。(弾いているのは)1968年製のMartin / D-45、高いギターですね。今回のカップリング『光と影のRegret』もそうですけど、今はレコーディングはほとんどあれですね。

アコースティックギターの名手・坂崎幸之助

■70枚のシングルで思い出深い一曲は?
―今回70枚目のシングルとなりますが、これまでのシングルであえて選ぶとしたら思い出深い曲は何ですか?
桜井:やっぱり『メリーアン』(1983年6月21日リリース)ですね。紅白(歌合戦)まで行ったし。
坂崎:よく歌ったよね? 売れる前からね。
桜井:よく歌いましたね。

―『メリーアン』のヒットでアルフィーは一気に世間に認知されましたよね。コンサートでは(次のシングルとなった)『星空のディスタンス』の方を必ず歌われますね。
桜井:『メリーアン』がある程度引っ張ってくれたからこそ、『星空のディスタンス』で火がついたというのは良かったですよね。

■“変わる瞬間”を感じた『無言劇』
高見沢:今、ふと思いついたのはね、『無言劇』かな。坂崎が『オールナイトニッポン』(ニッポン放送のラジオ番組)の2部を始めたときの1曲目だったよな。
坂崎:『無言劇』が1980年3月21日発売で『オールナイトニッポン』が4月から。
高見沢:『オールナイトニッポン』ってメジャーな番組じゃない? リアルタイムで聞いていて、坂崎がDJやって、1曲目に『無言劇』のイントロが流れて「おっ! かかった! すごい!」とひとりの部屋でなんか感激しましたよ。
坂崎:9局ネットだったから、そこで聞いてくれていた人たちが今度は地元のFMにリクエストしてくれて、1位になったりして。
高見沢:ちょうど全国キャンペーンをやった曲だったのかな。自分たちでハイエースを運転して。
坂崎:それまでのキャンペーンよりも規模が大きかった。
高見沢:新潟、岩手、群馬、高知で1位になった。新潟が特にすごかったんですよね。『無言劇』が僕のなかでは何かこう“変わる瞬間”というイメージでしたね。まさに熱心なファンの方のおかげです。

■キャンペーンを思い出す『ラブレター』
坂崎:初期の頃はね、キャンペーンやった分だけ思い入れが強いですね。『ラブレター』(1979年1月21日リリース)は事実上の再デビューで、3年間レコード会社がなくて“新たなスタート”という感じでしたのでよくキャンペーンやりましたね。「ショウワノート」という文房具屋さんのコマーシャルソングに使っていただいて。ショウワノートの営業の方たちがいるところで靴脱いでマイクなしで歌いましたね。
高見沢:ギター漫談みたい(笑)。あの頃は曲出すたびにキャンペーンをやっていましたからね、そういうところで世話になった方は応援してくれましたね。不思議とね、会うと応援してくれるようになるんですよね。人間性が良かったのかな?
桜井:かわいそうに思ったんじゃない?(笑)
高見沢:かわいそうと思ったんだ!(笑)
坂崎:こいつら本当にかわいそうだな、なんとかしなくちゃ(笑)。
高見沢:放送局でもそこそこ応援してくれる方がいましたからね。
坂崎:そこは人のいいアルフィー(笑)。自然にいろんな人とつながりができて、本当に世話になって。そういう世話になった人に限って、売れた後に無理を言ってこないんですよ。恩返ししたいのにね。

THE ALFEEのほとんどの楽曲制作を手がける高見沢俊彦

■若い世代のファンの声は「新鮮」
―ここのところアルフィーのラジオ番組を聴いていますと、10代のファンからのメールが増えているように感じますが、どのように受け止めていらっしゃいますか?
坂崎:そうですね。本来は(自分たちのことを)全く知らないわけですよね。生まれたときにはもう昔からいた人ですよね。全く予備知識がないところで見る第一印象とか感想はもらうと新鮮ですね。「玉ねぎ丸ごと入れちゃった人たち」とかね(注:夏のコンサートで販売されるDVDでは『ALFEE KITCHEN』としてたびたび3人が料理をする企画が収録されていて、テレビ番組で何度も取り上げられている)。
高見沢:『ALFEE KITCHEN』を見てハマっちゃったという人から何人もメールが来ましたよ。『ALFEE KITCHEN』でアルフィーを知って「この人たち、歌を歌うんだ」と気づいて、そこで曲にハマった。それは嬉しいですけどね、何がきっかけでもね。
桜井:とにかく我々と全く接することがないような世代の人が面白いと思ってくれるのは「(自分たちに)何かまだあるんだろうな」と自信が出ますよね。
高見沢:先が楽しみだよな。

―長く続けていらっしゃるからこそ世代を超えた声をリアルタイムで聞けるということですね。
高見沢:3人元気でいれば何とかなる! その気持ちは強いですね。

現在、高見沢俊彦67歳坂崎幸之助67歳桜井賢66歳と3人合わせてちょうど200歳というTHE ALFEE。毎年コンサートツアーを中心に活動してきたが、2020年からはコロナ禍のため有観客でのコンサートは開催していない。その分を楽曲制作に充てて精力的に音楽活動に取り組み続けるバイタリティーには驚かせられるばかりだ。そんな現役のバンドであるからこそTHE ALFEEは今も若い世代をも惹きつける“何か”を発信できるのだろう。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

『The 2nd Life -第二の選択-』通常盤

『The 2nd Life -第二の選択-』初回限定盤A

『The 2nd Life -第二の選択-』初回限定盤B

『The 2nd Life -第二の選択-』初回限定盤C

1 2