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writer : tinsight-iruy

【海外発!Breaking News】タツノオトシゴが高圧酸素療法で回復 「気泡病」治療の貴重な成功例に(米)<動画あり>

ルーイを小さな水槽に移し替えフロリダ大学獣医学部に助けを求めた。

フロリダ大学はキャロルさんに快く手を差し伸べた。大学内にある動物病院の獣医たちが検査を行った結果、気泡病で間違いないことが判明し、かなり弱っていたルーイを高圧酸素療法で治療することをキャロルさんに勧めた。

同病院では高圧酸素療法は犬などの哺乳類に用いたことがあったが、水生動物は初めての試みで上手くいくかどうかは分からなかった。それでもルーイを何とかして助けたいと願ったキャロルさんは、この治療を受けることを決断した。コロナ禍でルーイと一緒に治療室に入ることはできなかったため、獣医たちに望みを託したという。

水生動物医学の研修医1年目のタチアナ・ワイスブロットさん(Tatiana Weisbrod)は、慎重にルーイを専用の容器に移し替えて高圧酸素装置に入れて治療を始めた。タチアナさんは治療開始の様子を「ルーイの状態をよく観察し、細心の注意を払って治療を進めました。ルーイは元気がなく、ゆっくりと水平方向に泳いでいるだけでした」と語っている。

運ばれてきたばかりで水槽の下に沈むルーイ(画像は『College of Veterinary Medicine 2020年11月30日付「UF vets use novel treatment to save Louie, the trailblazing seahorse」(Photo courtesy of Dr. Tatiana Weisbrod)』のスクリーンショット)

ルーイは体長7.6センチと今まで治療してきたどんな生き物よりも小さかったため、圧力の大きさや使用時間の調整が細やかに行われた。そして3時間半の治療が終わると、ルーイは元気に水の中を泳ぎ始めた。タチアナさん達の努力が報われルーイの気泡病は完治し、キャロルさんの元に返された。

フロリダ大学の獣医たちによると、気泡病は水族館で多く見られ、タツノオトシゴは特に発症しやすいという。タチアナさんは「気泡病の治療の成功例についてはほとんど公表されていないので、今回のような小さな成功が治療成績の向上につながるのです」と明かした。

小さな専用容器に移し替えられたルーイは、高圧酸素装置の中に入れられた(画像は『College of Veterinary Medicine 2020年11月30日付「UF vets use novel treatment to save Louie, the trailblazing seahorse」』のスクリーンショット)

キャロルさんは「人々は『ちっぽけな命じゃないか』と言うかもしれないけど、この世界に何か一つでもポジティブなニュースを届けることができるなら、それをやらない理由なんてないわ」とコメントしており、ルーイの命が助かったことだけではなく、治療の貴重な成功例として貢献できたことにも喜んでいる。

画像は『KABB 2020年12月2日付「Florida vet school uses novel approach to save seahorse」(Carol Benge via AP)(University of Florida College of Veterinary Medicine via AP)』『College of Veterinary Medicine 2020年11月30日付「UF vets use novel treatment to save Louie, the trailblazing seahorse」(Photo courtesy of Dr. Tatiana Weisbrod)のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

高圧酸素療法が効くかどうかは賭けだったという(画像は『KABB 2020年12月2日付「Florida vet school uses novel approach to save seahorse」(University of Florida College of Veterinary Medicine via AP)』のスクリーンショット)

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