海外発!Breaking News

writer : ac

【海外発!Breaking News】死を覚悟した肝臓の腫瘍 実は10年超も潜伏した寄生虫だった(カナダ)

その時のことをこのように振り返る。

「突然の告知で、頭の中が真っ白になりました。それで医師に『それって良いことなのですか?』と聞いたのです。すると『最初の診断に比べたら、ずっといいですよ。肝臓がんで命を落としてしまうことはなくなったんだからね』と返事がありました。寄生虫への感染という衝撃的な事実と、生きることができるという嬉しさと、とても複雑な気持ちに襲われました。」

感染症専門家で多包性エキノコックス症に詳しいアルバータ大学のスタン・ヒューストン医師は、この珍しい感染症について次のように述べている。

「カナダで多包性エキノコックス症の人間への感染が初めて確認されたのは2013年で、アルバータ州ではキャシディさんが16番目の患者です。キツネや犬が多包条虫という寄生虫に感染し、糞便と一緒に排泄された虫卵が人間の体内に入ることで重い肝機能障害を起こすのです。いったん多包条虫が身体に入ると、嚢胞を作って次々に全身の臓器に転移します。キャシディさんの病巣は今まで見た中で最も大きなものの1つです。手術で全て摘出できたかはわからないため、一生抗駆除薬を飲み続けなければならないかもしれません。今後は月に1回の血液検査と6か月毎のCTスキャンを行い、経過観察をしていく必要があるでしょう。」

キャシディさんは感染経路について「犬を飼ったことはないので、農機具の修理の仕事をしていた時に感染したか、マーケットで購入した野菜に虫卵がついていたものを口にしたか…。思い当たるのはそれくらいです」と話しているが、一方でヒューストン医師は「感染を予防するには手をよく洗い、飼い犬は放し飼いにせずに清潔にすること、生水は飲まないこと、野菜はよく洗うことなどが大切です」と語った。

なお『CBC.ca』によると、毎年約1800人が多包性エキノコックス症を発症し、そのほとんどが中国とチベットで報告されているということだ。

画像は『TODAY 2020年2月14日付「Woman’s grapefruit-size ‘liver cancer’ tumor was actually a parasite」(Courtesy Dr. Stan Houston)(Courtesy Cassidy Armstrong)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

多包性肝エキノコックス症と診断されたキャシディ・アームストロングさん(画像は『TODAY 2020年2月14日付「Woman’s grapefruit-size ‘liver cancer’ tumor was actually a parasite」(Courtesy Cassidy Armstrong)』のスクリーンショット)

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