南アフリカに住む21歳の女性は動物保護区で生まれ育ち、人生のほとんどを動物と関わり合いながら過ごしてきた。自らを“ドクター・ドリトル(Dr. Dolittle)”と呼ぶこの女性は、ヒュー・ロフティング著の児童文学「ドリトル先生」のように動物と話をすることができるのだという。
チーター、シマウマ、ミーアキャット、ハイエナ、キリン、ライオンなどが暮らす南アフリカの動物保護区で生まれ育ったクリステン・カーさん(Kristen Kerr、21)は大の動物好きだ。動物を保護しケアする父バリーさん(54)の背中を見て多くのことを学んできたというクリステンさんは現在、保護区内にあるチーターの居住区から約9メートル(10ヤード)の場所に住んでおり、チーターに対する思い入れは人一倍強い。
「朝起きて最初にチーターに会えるんだから、これほど幸せなことはない」と語るクリステンさん。10歳の頃には動物に会えなくなることが辛すぎて小学校に通うことをやめホームスクールに切り替えたほどで、動物がいない生活は考えられないという。
それでも「一度は外の世界で仕事をしてみたい」と2018年9月にヨハネスブルグのオフィスで働いたが、4か月後には仕事を辞めて保護区に舞い戻った。クリステンさんは当時のことをこう振り返っている。
「会社員の経験がしたくて、コンピュータの前に座って仕事をしてみたの。でもすぐに自分には向かないことに気づいたわ。それに誰が一番いい車に乗っているとか、周りはいつもそんな競争をしていて、毎日が嫌で嫌で仕方がなくなってしまったの。泥にまみれ、ライオンに餌をやり、保護区にボランティアでやってくる人たちに動物の素晴らしさを教えているほうが自分には合っていると再認識したのよ。だから1月に保護区に戻った時は最高に幸せだったわ。だって動物と触れ合うことは、私の生活の一部だから。」