エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】さんま『ご長寿グランプリ2019』で笑いの変化を実感「景気がよくなってきてるのかな」

これは「ホラー映画を観たくなる」というよりも映画を制作する側が「ホラーならば低予算でヒットが狙える」という事情があるらしい。『トランスフォーマー』シリーズで知られるマイケル・ベイ監督は、自身のホラー作品製作会社プラティナム・デューンズについて2009年に「不況な時は低予算で制作して良いサービスを提供する」との趣旨を話していた。

そのようなホラー映画説に対して、明石家さんまによる「子どもやお年寄りの笑いの幅が広がるのは景気がよくなったからではないか」との読みは『あっぱれさんま大先生』や『さんまのSUPERからくりTV』、そして『ご長寿グランプリ』といった番組を通して子どもやお年寄りから肌で感じたものだけに説得力がある。

『ご長寿グランプリ2019』では、そんなお年寄りによる活躍がスタジオを終始笑いに包んだのである。

予選を勝ち抜いた5人が参加した“ご長寿早押しクイズ”決勝戦で「アントニオ猪木のおなじみのフレーズは『1!2!3!』のあと何と続くでしょう?」の出題では、1人が「1!2!3!」に続けて「4!」と答えると同時に、全員そろって「4!」と声を合わせ、さらに1人が「ワンツースリー」と言えば5人揃って「フォー!」と見事に揃える場面があった。

また「篠原涼子のヒット曲のタイトル『恋しさとせつなさと…』に続くあと1つは?」との問題で、1人が「いとしさとせつなさと佐渡おけさ」と答え「佐渡へ~佐渡へ~と草木もなび~くよ♪」と歌い出すと5人揃って「よいよい」と合いの手を入れた。

まるでラグビー日本代表のスローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」を思わせる光景に、山里亮太がワイプで「すげえな。この一体感なんだろう」とコメントすれば、堤真一はエンディングの総評で「たまらないすね! なんですかあのチーム感!」と話しており感動すら覚えたようである。

一方“ご長寿ビデオレター”では笑いばかりではなく、長い人生で苦労したお年寄りならではのエピソードも聞かれた。

福岡県大牟田市で暮らす98歳の女性は、終戦を迎え玉音放送を聞きながら泣いていた24歳の自分に「戦争でお腹を空かせて耐えてきたのに悔しいね」と語りかけ、聴く者をしみじみとさせたところで「でも1985年にあなたを幸せにしてくれる食べ物と出合うよ」と意外な商品名を口にした。初めはVTRを見てしんみりとなったスタジオが、そのワードで爆笑に包まれたのだ。

また北海道・礼文島に暮らす85歳の女性は、上京して初めて銀座に行こうと誘われた24歳の自分へメッセージを送った。

「ずーっと銀座に憧れていたあなたは、親戚のお嬢さんから銀座に誘われ、乗り換え駅でワクワクしながら待っていますね~」と語りかけ、「その電車、銀座には着きませんよ」と明かした。

スタジオでは乗り間違えたというオチだと思い込み笑いが起きたものの、実は「安保反対運動に巻き込まれて電車が動かなかった。朝から晩まで電車の中に閉じ込められる羽目になります」と時代を感じさせる結末に、笑いから一変して驚きの声となったのである。

そうしたエピソードの連続に、視聴者からTwitter上で「さんまのご長寿グランプリ こういう、一般の人が出てる番組はほんとに楽しいし感動するから好きです」、「さんまのご長寿グランプリまじで見てくれ、もう涙止まらん」と反響があるなか、「シャウエッセンw 確かに1番美味しいよねw」という話題も盛り上がっていた。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)

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