「何かのイタズラでは」と半信半疑になるのも無理はないだろう。ジュリーさんは驚き、疑いながらも列に並んで取り置きをしていた商品を受け取った。支払いのために戻ってきたジュリーさんは、男性がまだ待ってくれていたことに驚き、彼のオファーが冗談ではなかったのだと知った。「ええっ！　本当にありがとうございます！」とお礼を言うも、「でも、こんなに多くのお客のギフトを払うなんて、どうやったらそんなことできるのですか？」と尋ねると、男性は「サンタクロースだったらできますよ」と返してきたという。

予想もしなかった親切なオファーをしてくれた男性に感激したジュリーさんは、本人に名前を尋ねた。すると男性は「クリス・クリングルです」とだけ伝えてその場を立ち去った。ジュリーさんは慌ててスマホでこの男性の後ろ姿を写真に収めた。ジュリーさんは後に、メディアの取材に対してこのように話している。

「もしかしたら彼は人生でとても辛いことがあって乗り越えたばかりなのかもしれない。それで、周りのみんなにもただ幸せになってほしいという思いで、こんな親切をしてくれたんじゃないかしら。私の中で彼はサンタクロースに他なりません。彼は多くの人が、クリスマスにストレスをためて余裕のない時間を過ごさないでいられるよう、素晴らしい機会を与えてくれたのです。彼の親切には言葉にならないほど感激しました。多くの人のためにしてくれた彼の思いやりを私は一生忘れません。」

ジュリーさん以外に、この男性に取り置き商品の支払いをしてもらったタミー・デソーテルスさんも「支払い金額がゼロだなんて、非現実的。でも現実に起こったのです」と男性の親切に驚きを隠せない。タミーさんによると、夫が最近足を骨折してしまったために、経済的に困窮した状態だったという。そんな中で出会った思わぬ救世主に、いたく感動したタミーさんは「この世にはまだまだ彼のような親切な人がいるのだと思いました」と喜びを露わにした。

画像は『ABC News　2018年11月19日付「Anonymous man pays off all layaway items at a Vermont Walmart」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　エリス鈴子）