海外発!Breaking News

writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】1歳1か月で2度の脳卒中を起こした女児、介助なしで最初の一歩を踏み出す(英)

11日後に退院することができた。脳卒中後は体の左側が影響を受けてしまい、手や腕、脚をあまり使うことができなくなるという後遺症が残ってしまったが、両親にとってやはり我が子が退院できる喜びは大きいものだった。ところが退院して5日後、ベサニーちゃんは発作に見舞われ、再びキングス・カレッジ病院へと搬送された。この時、ベサニーちゃんは2度目の脳卒中を起こしており、医師らは両親に「手術なしでは助からないかもしれない」と告げた。

16日間に2度の脳卒中を発症した幼い娘。医師からは「手術をしても、左側に麻痺が残る可能性がある。介助なしでは生活が困難になることも考えられる」と宣告されたアリスさんとフィルさんのショックはいかほどであったことか。しかし幸いにも手術は成功した。その5週間後に退院したベサニーちゃんだったが、容態が芳しくなく過剰にたまりはじめた脳脊髄液を2度にわたり腰椎穿刺で排除しなければならず、退院後もしばらくは弱っており、自力で座ることもできなかった。

そんな娘を見てアリスさんとフィルさんは心を痛めたが、ベサニーちゃんは小さな勇者だった。理学療法を受け続けた結果、退院から4か月ほど後にはベサニーちゃんは自力で座ることができるようになり、なんとかして動こうとする仕草まで見せた。まだ左側に後遺症は残っているが、悪夢のような出来事を乗り越えて必死で闘う幼い娘が、介助なしで初めての一歩を踏み出した姿を見た瞬間、アリスさんとフィルさんは心を震わせた。

「年齢的には少し遅い“初めての一歩”となりましたが、2度の脳卒中を乗り越えたからこそ、この一歩はまさに特別なものなのです。」

今年1月に、アリスさんは慈善団体「The Stroke Association Resolution Run」が主催するイベントに参加、子供たちが脳卒中を起こす危険性についての注意喚起を促し、「当時起こったことを思い出すと寒気がします。健康で元気な13か月の娘が、脳卒中と診断された時には信じられない気持ちでした」と心境を話していた。医師らは心臓に穴が開き脳卒中を起こした原因は、ベサニーちゃんが心臓の感染症にかかったからではないかとみている。しかし、現在はゆっくりではあるが確実に回復へ向かっている娘について、アリスさんは喜びをこのように語っている。

「私たちはもう一度、娘の幸せな姿を見たいと願っていました。今の娘は元気な笑顔を見せて、私たちに大きな喜びをもたらしてくれています。私たちにとって娘はかけがえのない大切な宝物です。」

なおイギリスでは、10万人に5人の割合で子供が脳卒中を発症しているという。ベサニーちゃんはその中でも、最年少の脳卒中患者のひとりとなった。

画像は『Mirror 2018年10月13日付「Britain’s youngest stroke victim survivor aged just 13 months battles back to take her first steps」(Image: Alice and Phil Comben)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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