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writer : flynn

【海外発!Breaking News】ケープタウンの深刻な水不足危機、実は1990年に予測されていた(南ア)

1990年4月26日に発行された『Cape Times』紙の記事が注目されている。それによると水研究委員会(Water Research Commission)が「17年後の2007年にはケープタウンの水がなくなる。今後は排水を再処理して利用することが不可欠になるのではないか」と警告しているのだ。

故ネルソン・マンデラ氏が初の黒人大統領に就任し人種隔離政策(アパルトヘイト)が廃止された1994年以降、南アフリカでは水資源に関する議論が盛んになり、1998年には水利大臣アズマル・カダール氏が中心となって法改正が行われた。また西ケープ州6大ダムの一つと言われるバーグリバーダム(Berg River Dam)の建設が提案され、2009年にこのダムが稼働した。

その後は2012年に2度ほどエルニーニョ現象が起こったが、大した被害を被らなかったケープタウンは危機感を抱くことがなかった。また市の人口が1996年と比較して約2倍も増加しているにもかかわらず、経済成長を重要課題として水不足への対策はなおざりにされてきた。

2014年~15年のエルニーニョ現象で世界的に深刻な影響が懸念されるようになると、市ではようやく水の使用制限を始めたが、市民のほとんどが「何とかなるだろう」という感覚で過ごしてきた。しかし昨年は冬の間に期待されていた雨があまり降らず、ここにきてようやく「雨乞いに頼っている場合ではない」と本腰を入れ始めたようだ。

ケープタウン市では現在、海水淡水化設備を3か所に建設中としており、5月までの稼働が期待されているが詳細は発表されていない。市長は「水不足は異常気象によるもので予測できなかった」としているものの、28年も前から予測されていた水の危機。ここまで深刻になる前に対策が取られてこなかったことが残念でならない。

画像は『IOL 2018年2月1日付「#WaterCrisis: 1990 article shows Day Zero plans should’ve began years ago」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)

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