米ニュージャージー州カムデン郡の緊急通報司令室に1月22日、若い女性からの911番通報があった。それは貧困にあえぐ4児の母親からの「我が子に食べさせるものがないので助けてほしい」という内容だった。『NBC Philadelphia』などが伝えた。
「子供たちが、昨日から何も食べていないのです。」
電話口でそう告げたのは、カムデン郡に住む4児のシングルマザーだ。地元の教会を訪ねるなどあらゆる手を尽くしてみたが、とうとう食料品が底をついてしまったという。悲痛の声で状況を説明する女性だったが、オペレーターに「ここは警察です。番号が違います」と冷たくあしらわれてしまった。
フードスタンプ(低所得者向けの食費補助制度)を待っているが受給までに1か月かかること、また現金や車もないため911番通報しか方法がなかったことなどを懸命に説明する母親は、「どうにかして助けてもらえないだろうか」「自宅まで来てもらえないか」と懇願した。
たまたま隣で会話を聞いていた同じくオペレーターのトンダレヤ・バグビーさん(Tondaleya Bagby)はこの母親の状況を気の毒に思い、警察官を向かわせる手はずを整えた。
「会話を聞いて悲しくなったのです。我が子に食べ物を与えられないなんて、想像を絶する状況ですから。」
自身も母親であるトンダレヤさんは、居てもたってもいられなかったようだ。
要請を受け、母親のもとを訪ねたカムデン郡のデビッド・ヒントン警官は、1ベッドルームの狭いアパートに若いシングルマザーと子供4人を見つけた。間近で見る本物の警官の姿に子供らは喜んだものの、食べ物はありそうもなく全員がお腹を空かせた状態だったという。事態を目の当たりにしたヒントン警官は、