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writer : shiina

【海外発!Breaking News】ゴミを楽器にして演奏 子供達への環境教育プロジェクトが好評(レバノン)

『Up-Cycling for Hope』の集大成として参加した児童達による“楽器”演奏が行われた。

参加校の1つ、サルマ・アル=サイエフ校(Salma al-Sayegh)に通う10歳の児童らは、レバノン出身の有名歌手ファイルーズ(Fairuz)の楽曲『Bint al-Shalabiya(シャラビーヤの少女)』を演奏したのだが、ニュースサイト『The Daily Star』が「この曲がプラスチックボトルやガラス瓶で演奏したと分かる人はそういないだろう」と称賛したほどであった。

また閉会式では演奏のほか、児童らが通う学校の運動場を飾るためにプラスチック製ボトルや紙筒などのゴミを材料にした大きな壁画も披露された。

全ての演奏終了後に審査が行われたが、Abou Zaki氏は参加した全ての児童が勝者であるとし、最優秀賞以外に設けられた「最も素晴らしい発想」「一番素敵な色使い」といった賞を全参加校がそれぞれ受賞するという結果に落ち着いた。

NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は12月1日、ウェブサイトで「レバノン全土で廃棄物が野焼き処理されており、近隣住民が健康被害に直面している」と発表した。レバノンの環境大臣Tarek Khatib氏はこれに対し「ゴミによる危機は発生していない」と反論したものの、2006年7月のイスラエルによるレバノン侵攻によって引き起こされた重油流出による海洋汚染、また全人口の約37パーセントを占めるシリア人難民達が同国の環境を脅かしていることは環境省も認めている。

『Up-Cycling for Hope』の参加者にはシリアから逃れて来た子供達もおり、UNHCRレバノンの代表Mireille Girard氏は閉会式で「子供達が環境保護のために行動を起こすことで、これまでの世代ができなかった救済措置が可能になるでしょう。それにシリアの子供達からのこうした行動はレバノンへの恩返しにも繋がります」とこのプロジェクトの成果に期待を込めた挨拶をしている。『Up-Cycling for Hope』は今後、ベイルートだけでなくレバノン全土で行われる予定とのことだ。

画像は『The Daily Star 2017年12月20日付「‘Trash orchestras’ show kids waste isn’t always best binned」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)

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