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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】ロンドンテロ実行犯の52歳男、かつて過激派関与の疑いで捜査対象に

ロンドンの中心地、ウェストミンスターの国会議事堂を目の前にして起こったテロ事件。22日午後2時40分頃、テムズ川にかかるウェストミンスター橋で黒の車が暴走し、橋を渡る通行人の中に突っ込んだ。その後車は国会議事堂を囲んだフェンスに追突し運転していた男は敷地内に侵入、さらに所持していたナイフで警護にあたっていた警察官を刺殺した。目撃者によると、敷地内で警察官が発砲した銃声が3発ほど聞こえ、犯人のハリド・マスード(Khalid Masood、52歳)が2人目の警察官を狙ったところで、武装した別の警察官らによって射殺されている。

観光客で賑わうはずのウェストミンスター地域が、一気に凄惨なテロ事件の現場と化した。橋の上では車に撥ねられた人々の救助活動が続けられた。被害者にはフランスから遠足で来ていた小学生らの姿もあったという。救急救命士以外にも通行人らが怪我人にCPR(心肺蘇生)を施す姿も見られ、懸命な救助活動が行われたようだ。

なお現場はロンドンメトロポリタン警察によって封鎖され、ウェストミンスター橋や国会議事堂などロンドンを一望できる場所にある「ロンドン・アイ(観覧車)」に乗っていた観光客らも、セキュリティ上の都合により一時期は観覧車の中に閉じ込められてしまったという。

ロンドン市民を恐怖に陥れた22日から一夜明けて、メトロポリタン警察当局はミッドランズ警察の協力のもとロンドンやバーミンガムなどイギリス国内の6か所を強制捜査し、テロに関係する8人を逮捕したことが複数のメディアで伝えられた。プレスアソシエーション(英通信協会)は「22日のロンドンでテロ行為をした男がこの場所に住んでいた」と報じているが、警察側は「犯人は、国際テロに影響を受けた単独犯である可能性が強い」と発表している。さらにテリーザ・メイ首相は23日、犯人の男について「英国生まれで、過激派に関与した人物として過去にMI5(英保安局)の捜査対象になっていた」と公表した。

テロの犠牲となり命を奪われた警察官キース・パルマー巡査(48歳)は、犯人の攻撃を阻止しようとして首を2か所刺され帰らぬ人となった。巻き込まれた通行人で命を落とした2人は50代の米国籍の男性カート・コックランさん(Kurt Cochran)と43歳の英国生まれのスペイン人女性アーイシャ・フレイドさん(Aysha Frade)であることが判明しており、アーイシャさんは8歳と11歳の子供を学校へ迎えに行く途中であったそうだ。

23日の朝9時33分には、犠牲となった被害者のために警視庁や国会議事堂の前など全国で1分間の黙祷が捧げられた。亡くなったパルマー巡査の個人識別番号「933」にちなみ、敬意を表して9時33分という時間が選ばれたそうだ。また、各地でこのテロ事件への追悼の意が示された。パリでは22日の夜にエッフェル塔のライトが消され、イスラエル・テルアビブのラビン広場にあるシティーホールの外観はイギリスのユニオンジャックを象ったライトアップが施された。一方、事件の現場となった国会議事堂は事件があった日も明るくライトアップされ、『Metro』では「『テロ行為には屈しない』という意思を示したかのようでもある」と伝えている。

現在、警察当局は有名な観光地となる場所にはなるべく立ち寄らないようにと警告している。また万が一こうしたテロ行為や危険に巻き込まれ、声が出せずに助けを求める状況になった時には通常の緊急連絡番号「999」をかけた後「55」をダイヤルすることによって、オペレーターに「通報者は声が出せないほど危険な状況にある」と理解されるそうだ。今後、渡英の予定がある人は十分に気を付けて頂きたい。

出典:http://www.independent.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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