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writer : tinsight-suzukoellis

【海外発!Breaking News】「子供たちをディズニーワールドに連れて行きたい」 募金サイトで寄付を募った母親(英)

英グロスタシャー州ブリストルのコールピット・ヒースに住むニッキー・スミスさん(33歳)は、過去に家族旅行のために寄付金を募って資金を集めた友人に影響され、自身も娘2人のために募金サイトで資金を集めることができたらと思い立った。

そこで世界でも有名なオンライン募金サイト『GoFundMe』にアカウントを設定し、「娘2人をアメリカのディズニーワールドに連れて行ってあげたい」と目標金額を5,000ポンド(約693,000円)に設定して寄付を募った。

『GoFundMe』は2010年にサイトが設立されて以来、これまでに25億ポンド(約3,470億円)もの寄付が集められているクラウドファンディングサイトだ。寄付を募る理由は人それぞれだが、主に慈善活動や特別なプロジェクトを目的としたものが多い。

主な例としては、米ボストンのマラソン中に起きたテロ事件で両脚を失くしたマラソン選手のため、フロリダ州オーランドでゲイ・ナイトクラブ襲撃事件の被害に遭った人々のため、またイギリスでは欧州連合離脱に反対を唱えたことから市民に殺害されたジョー・コックス議員の追悼目的のためという理由でそれぞれ多額の寄付が集まっている。その他にも病に苦しんでいる人へのサポートのためにこのサイトで寄付を募るという人も少なくない。

そうした『GoFundMe』で、ニッキーさんは「普段、勉強も一生懸命頑張って、思いやりのある素晴らしい子供たちにお礼のつもりでディズニーワールドの旅行をプレゼントしてあげたい。でもパートで得た収入は普段の生活費に消えてしまい、私一人ではなかなか貯められない。過去2年間で私たち家族にとってとても大切な人を2人も亡くしたこともあり辛い時期を過ごした。娘が大好きなディズニーワールドへ連れて行ってあげることができたら娘の夢も叶うだろう」とアカウントページに綴った。

ところが5,000ポンドの目標額に対して、寄付されたのはわずか10ポンド(約1,400円)だった。しかもニッキーさんに寄せられたのは、世間からの批判の声だった。

「旅行に行きたければ、最近はこんな風にサイトで寄付を募ればいいんだね。」
「誰でもしたいことや行きたい場所はあるでしょうよ。でもその余裕ができるまで、私たちは待たなければいけないのでは? それに、誰かを亡くすという辛いこともあったようだけど、誰でもそれを経験して乗り越えているわ。」
「ウチは3人の子供を旅行に連れて行く余裕なんてないわ。でも仕方ないと思っているの。」
「私は子供の頃、どこにも連れて行ってもらえなかった。だから17歳になって自分でバイトして初めてディズニーワールドに行ったのよ。」
「誰も他人の旅行のために寄付なんかしないって。」
「自分の子供達に『どこかへ行きたくてお金がなかったら、他人のお金を集めたら行けるよ』と教えているのと同じじゃないか。それってどうかと思う。」

予想もしなかった世間からの猛批判を受け、ニッキーさんは『GoFundMe』のアカウントを閉鎖しなければならなくなった。「2人の子育てをしながらパートタイムで働いてなかなか貯金もできず、子供たちを旅行に連れて行けるのは10年後になると思いました。そんなの遅すぎると思ったんです」と言うニッキーさんだが、世間の声を聞いて「ショックでした。でも、私が間違っていたのだと思います」と話している。

なお昨年9月には、イギリスで出会い系サイトを通して知り合った女性との間に赤ちゃんができてしまった男性が、寄付を募り生活費の援助を仰いでいるというニュースが伝えられた。「子供を養っていくことは『プロジェクト』だから」という男性の呆れた言い分を聞く限り、寄付はあまり期待できないことが明らかであったが、この男性やニッキーさんのように“人の常識は異なるものだ”ということを改めて実感せずにはいられない。

出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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